フランス北西部、ノルマンディー地方に位置するル・アーヴル、ここの海沿いにあるマルロー美術館(Musée d’art moderne André Malraux、通称MuMa)は、印象派の名作を数多く所蔵している美術館です。その現代的な建築と、素晴らしいコレクションにより、フランス国内外から多くの美術愛好家が訪れています。

マルロー美術館は、フランスの文化大臣を務めたアンドレ・マルローにちなんで名付けられ、ル・アーヴルの象徴的な文化施設の一つです。この美術館は、フランスで最初に公共の近代美術館として設立され、特に印象派や近代美術の作品で知られています。

この記事では、マルロー美術館の魅力や見どころをご紹介します。

マルロー美術館(MuMa)のクイック情報

・入場料:7€
・開館時間:11:00-18:00(土日:19:00、月曜日閉館)
・空いてる時間帯:13時-15時頃
・所要時間:1時間

・作品の数:約205点(展示数は異なる)
・作品の種類:絵画、彫刻、写真
・芸術形式:印象派
・有名作品:『散策する女/ ピエール=オーギュスト・ルノワール』、『The Waltz/ フェリックス・ヴァロットン 』、『Waterlilies/ クロード・モネ』

・公式サイト:マルロー美術館(MuMa)
・住所:2 Bd Clemenceau, 76600 Le Havre(map)
・エリア:フランス北西部 ル・アーヴル

・オーディオガイド:あり(作品下に表記されているGQコードからDL)
・クローク、トイレ、レストラン:あり


マルロー美術館に訪れる価値があるのはなぜ?

Pierre-Auguste Renoir/ L’excursionniste 1888年 – 1919年

・印象派の宝庫
マルロー美術館のコレクションには、クロード・モネ、オーギュスト・ルノワール、エドゥアール・マネといった著名なアーティストの絵画が展示されており、パリのオルセー美術館に次いで2番目に印象派コレクションが豊富な美術館です。印象派の巨匠たちの知られていない作品から、印象派の豊かな表現をじっくり鑑賞することができます。

・現代的な建築と海との調和
マルロー美術館は、海沿いに位置しており、その現代的なガラス張りの建築は、内部と外部の境界を曖昧にする設計が特徴です。また、海を望むことができる美しいロケーションも、美術館の大きな魅力の一つです。

マルロー美術館の個人的な感想

クロード・モネ(Claude Monet) ”セーヌ川、ヴェトゥイユLa Seine à Vétheuil)” 1878

ちょうどパリのオランジュリー美術館で、クロード・モネの”睡蓮”をパノラマで鑑賞した直後だったこともあり、マルロー美術館の照明にはやや物足りなさを感じる場面もありました。曇り空の影響もあり、一部の絵画では光の反射で色が見えにくいこともありましたが、それでもなお、この美術館の魅力は十分に伝わってきます。

著名な印象派の名作に加え、まだあまり知られていない作品にも出会えるのが、マルロー美術館ならではの楽しみのひとつ。時代を超えて多くの芸術家たちが描いてきた、ノルマンディーの自然の美しさを、さまざまな視点から味わうことができる貴重な空間です。

・エキシビション・ノルマンディー写真展
その印象派の下の階にはその時のエキシビションが展示されていました。この時はノルマンディーの写真展で、撮影技術が発明されてすぐの写真が展示されていました。

私が印象的だったのは、1枚の人物写真。はじめは大人かと思ったのですが、その写真のタイトルは、子供たち。しかしその子供たちの顔は、幼さはなく大人びていて、そして目は虚ろで無感情の顔でカメラを見ていました。

特に人物写真では、今のように笑っているものはなく、モノクロのせいか悲壮感やその時代背景を感じる写真でした。

マルロー美術館のおすすめ時間と所要時間

ウジェーヌ・ブーダン(Èugene Boudin)の作品、
右下に見えるのはエトルタ(Étretat)にあるアヴァルのアーチ(L’Arche d’Aval)
海に突き出た天然のアーチ状の断崖で、象の鼻のような形が特徴的。

印象派の作品は1階(日本式2階)に展示されており、壁一面にウジェーヌ・ブーダン(Èugene Boudin)の絵画が出迎えてくれます。そこから、印象派の巨匠たち、影響を与えた前衛的なアーティストたちの作品が並びます。

  • ギュスターヴ・クールベ(Gustave Courbet)
  • アルフレッド・シスレー(Alfred Sisley)
  • カミーユ・ピサロ(Camille Pissarro)
  • エドゥアール・マネ(Èdouard Manet)
  • ピエール=オーギュスト・ルノワール(Pierre-Auguste Renoir)
  • クロード・モネ(Claude Monet)

作品ごとにゆっくり鑑賞していっても、1時間ほどあれば見て回れます。8月中旬、お盆の時期(13時頃)に行きました。入場で5組ほど並んでいて少し待ちましたが、チケット購入後は待つことなく入ることができました。

館内は人が多すぎず少なすぎといったくらいで、人と重なることもなく、じっくり鑑賞できました。

パリからマルロー美術館へのアクセス方法

パリからル・アーヴルのマルロー美術館(MuMa)へは、電車または車でアクセスできます。

・電車の場合
パリ・サン・ラザール駅からル・アーヴル駅まで約2時間15分。到着後はバスまたはタクシーで約10分です。やや時間の制約がありますが、日帰りも可能です。

・車の場合
パリからおよそ2時間半のドライブ。自由なスケジュールで移動でき、途中の風景も楽しめます。


ただし、より快適に美術館を楽しみたいなら、プライベート日帰りツアーが便利。乗り換えのストレスもなく、現地での移動もスムーズです。さらに、エトルタの印象派の舞台と断崖の絶景をめぐるツアーもあり、1日を充実して過ごせます。

▶︎ パリからル・アーヴルへ、英語ドライバー付きの快適な旅は、こちらから(Viator 日本語サイト)

▶︎ パリ発、ル・アーヴルとエトルタを巡るプライベートツアーは、こちらから(Viator 日本語サイト)

移動時間も大切な旅の一部です。ストレスフリーで、アートと自然を満喫できます。

さいごに

ル・アーヴルのマルロー美術館は、印象派を中心とした多彩なコレクションと、現代的な建築が調和した素晴らしい美術館です。フランスの芸術文化を深く理解し、心ゆくまでアートを楽しむことができるこの場所は、美術愛好家や観光客にとって必見のスポットです。

フランス・ノルマンディーを訪れる際には、ル・アーヴルのマルロー美術館を訪れて、フランスの豊かな芸術遺産に触れてみてください。

そしてもうひと足のばして…

ル・アーヴル近郊、オンフルールへ
石畳の小道、カラフルな港、そして多くの芸術家たちに愛された景色が広がる、静かな感動の町です。

▶︎ ル・アーブルとオンフルール間の往復シャトル送迎は、こちらから(Viator 日本語サイト)

フランス・オンフルール|エリック・サティの家[Maisons Satie]|詩と音楽が響く斬新なミュージアム体験


ル・アーヴルのマルロー美術館(北フランス・ノルマンディー)

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