マルセイユの旧港からオスマン様式のアパートメントを眺めながら歩いていると、こぢんまりとしたお店が立ち並び、ルイ・ヴィトンやエルメスのブティックが見えてきます。その向かいがカンティーニ美術館(Musée Cantini)です。
17世紀に建てられた建物はさまざまな歴史を経て、1888年に彫刻家であり美術愛好家でもあったジュール・カンティーニが購入し美術館となり、その後、彼の遺志によりマルセイユ市に寄贈されました。静かな雰囲気の中で、アートと建築の調和を楽しむことができるため、アート好きには必見のスポットです。
マルセイユ・カンティーニ美術館
カンティーニ美術館は、アンドレ・ドランやピエール・ボナールの作品を含む貴重なコレクションが揃い、現代美術の動向を深く理解できる場所です。また印象的だったのは、ルーマニアで生まれフランスで活躍したシュルレアリスムのヴィクトル・ブローネル(Victor Brauner)の作品でした。
ヴィクトル・ブローネル(victor brauner):ルーマニア生まれフランスで活躍した、シュルレアリスム・アーティスト。1931年に彼は彼の目がくり抜かれた自画像を描き、その7年後に左目を失ってしまう。1939年ごろからの彼の絵画は、ファンタジータッチで幻想的、だけどその作品のものたちの目はしっかり描かれています。
パリ市立美術館にも何点か飾られていて、一度見たら忘れられないインパクトのある作品です。
マルセイユ・カンティーニ美術館に訪れるおすすめ時間と所要時間
カンティーニ美術館は2階建てですが、展示場は小さいため、1時間から2時間くらいあれば、全ての作品を見て回れると思います。私が訪れたのは、平日の11時ころでしたが、1階には私しかおらず、2階に上がった時にも2、3人ほどしかすれ違わなかったので、比較的空いていました。
特別展のチェック
カンティーニ美術館では、定期的に特別展が開催されています。公式ウェブサイトで最新の情報を確認し、訪問時に合わせてチェックしておくと、通常の展示以上に充実した体験ができます。
さいごに
カンティーニ美術館は、20世紀の現代アートを中心に、フランス美術の多様な作品を楽しめる美術館です。マルセイユの歴史的な邸宅を利用した美しい建築と豊かなアートコレクションが見事に調和しています。次回のマルセイユ旅行では、ぜひカンティーニ美術館を訪れて、フランス現代美術の魅力に触れてみてください。
マルセイユ・カンティーニ美術館
入場料:無料
開館時間:火曜日-日曜日、午前10時-午後6時
所要時間:1時間ほど
空いてる時間帯:11時-14時頃
作品の数:約400点ほど保存、作品の種類:点描画、フォーヴィスム、キュービズムなど
有名作品:ポール・シニャック(Paul Signac)『マルセイユ港への入り口』
アクセス:19 Rue Grignan, Marseille, Provence-Alpes-Côte d’Azur, 13006
最寄り駅:地下鉄1号線のエストラングラン駅から徒歩数分
公式サイト:マルセイユ・カンティーニ美術館