ダリファン必見の穴場スポット、ダリ・パリ美術館(Dali Paris Musée)
ルーブル美術館、オルセー美術館など、パリにはたくさんの美術館があり、1年中多くの方が訪れます。そのなかでも今回は穴場の美術館をご紹介します。
パリ18区にあるダリ・パリ美術館(Espace Dali)は、スペインのシュルレアリストレス(超現実主義画家)サルバドール・ダリの作品を展示している美術館です。
モンマルトルの丘に美しく佇むサクレクール寺院のふもとに位置し、今も画家たちが集うテアトル広場のすぐ近くに、ダリ・パリ美術館はあります。
ダリ・パリ美術館のクイック情報
入場料 | 16€ |
開館時間 | 10:00-18:00 (12月25日閉館) |
空いてる時間帯 | 午前中から13時 |
所要時間 | 1時間 |
オーディオガイド | あり(日本語) |
ロッカー、トイレ | あり |
作品の数 | 約300点(展示数は異なる) |
作品の種類 | 絵画、彫刻、オブジェなど |
芸術形式 | シュルレアリスム |
有名作品 | 『記憶の固執』、『宇宙像』彫刻 |
公式サイト | ダリ・パリ美術館公式サイト |
住所 | 11 rue Poulbot 75018 Paris(モンマルトル、パリ18区) |
最寄り駅 | Anvers, Abbesses, Lamarck-caulaincourt (地下鉄12番線) |
ダリ・パリ美術館
このダリ・パリ美術館は、ダリ専門家として有名なキュレーターの1人である創設者のベニアミノ・レヴィが、プライベートで集めてきたダリのオリジナル作品を展示しています。
絵画、彫刻、エッチング、シュルレアリスムのオブジェクト、家具、幻視科学、古代、ルネサンス、錬金術など、個性的なダリの作品に触れることができます。
この美術館に入って一番に目を引くのは、今にも動き出しそうな彫刻でしょう。脈動感があり、ダリの魂が息吹いています。
ダリ・パリ美術館の見どころ
美しい脚線のスペース・エレファント『宇宙象』、よく見ると足は骨になっています。これはダリのシュルレアリスムの象徴的な作品です。
こんな細い足で、地上で一番大きい動物の体を支えることはできません。この作品は、現実世界の重さと幻想の軽さの対比や矛盾を表していると言われています。
そしてダリといえば、ぐにゃっと曲がった時計『記憶の固執』があります。ダリの最も有名な作品です。
この溶けているような時計は、時計という正確に時を刻むものが、人間の感覚において一定のものではなく、心理的なことによって流動的で変わっていくということを表しています。アインシュタインの相対性理論を芸術で表したのではないでしょうか。
ダリの作品に触れていると、凝り固まった考えや固定観念が解けていきます。
ダリ・パリ美術館がおすすめな理由
サルバドール・ダリの彫刻やリトグラフ、日本の手法を取り入れた版画や、その作成方法など、多様な作品とその作品の背景の解説とともに、ダリの独特で夢幻的な世界に浸れます。
部屋の真ん中には、ダリのミューズでもありパートナーでもあった、ガラ・エリュアールとの愛の物語や、古いテレビから流れる、生前の2人の様子も見ることができます。
ダリ・パリ美術館の訪れるためのヒント
ダリ・パリ美術館の空いてる時間帯
私が訪れたのは平日の11時半頃、入り口には並んでいる人はおらず、チケットはその場で購入して、そのまま待つことなく美術館内に入っていけました。
その時は中には3人ほどいました。そこから13時頃まで増えることもなく、というのも美術館自体、中地下に美術館の紹介があって、下フロアがダリの作品が並んでいるのですが、じっくり見ても、1時間もかからないと思います。
学生が写生をしに来たり、ランチ後に訪れている家族がいても、人と被ることなくゆっくり見れました。
ダリ・パリ美術館の所要時間
1時間ほどあれば、ひと通り見られると思います。私が訪れた日は、空いていたので何回か往復して、じっくり鑑賞していました。
ダリ・パリ美術館を訪れるためのヒント
・入り口の右側にロッカーがあります。ベビーカーの持ち込みは展示品により持ち込めないと聞きましたが、クロークに預けられるか、事前に問い合わせた方がいいと思います。私が訪れた時は生後半年ほどの赤ちゃんがいましたが、抱っこされて一緒に鑑賞していました。
・写真撮影は許可されていますが、フラッシュや三脚その他の物理的な機器は禁止されています。
・特別展示会は、公式サイトからご覧ください。(こちらから)
・ミュージアム・ショップには、ダリの作品に関連した書籍やグッズが購入できます。
さいごに
精神的な父としていたジークムント・フロイトの家の外、
自転車に乗っていたカタツムリからインスピレーションを受けた。
その形が人間の頭とフロイトの頭に結びつき、
そしてカタツムリの持つ、殻の硬さと体の柔らかさのパラドックスを表しています。
私はこの美術館を訪れたとき、”自分は何をしたいのか、どう生きていきたいのか”、鬱々と灯りのない沼でもがいていました。そんな暗闇のなか、『Snail and the Angel』の彫刻を見たときに、こんな人よりもでっかいカタツムリをダリは作るんだ!と、心が動き、笑いがこみ上げてきて、いつの間にか沼が消えていました。
友人にダリの美術館が良かったと話すと、『彼はとてもユーモアのある人だったと聞いたことがある、そのメッセージがあなたの心に響いたのかもしれないね。』
ここはシンプルでこじんまりとした美術館ですが、その作品が作られた背景や物語を知りながら作品を間近で見ることができます。そしていつの間にかダリの奇抜でウィットな人柄を身近に感じ、ダリの魂に触れることができるのだと思いました。
もしパリを訪れる機会があるなら、ぜひこのユニークなダリ・パリ美術館を訪れてみてください。サルバドーレ・ダリという天才が創った幻想的な世界にしたってみてはいかがでしょうか。
ダリ・パリ美術館