毎月第1日曜日、パリの多くの国立・市立美術館が無料で開放されることをご存知でしょうか?ルーヴル美術館(チケット:22ユーロ)、オルセー美術館(14ユーロ)、ポンピドゥー・センター(18ユーロ)など、通常なら数千円かかる世界的名美術館が、完全無料で鑑賞できる特別な日です。
しかし、知識なしで当日訪れると、予約が取れずに入場できない、3時間待ちで時間を無駄にするなど、せっかくの機会を逃してしまうことも。
この記事では、実際に第1日曜日の美術館無料開放を体験した情報をもとに、予約方法から混雑回避のコツ、おすすめの回り方まで徹底解説します。
【重要】予約必須!無料でも事前予約が必要な理由
「無料だし、当日ふらっと行けばいい」そう考えてしまうのは最も危険なパターンです。人気美術館の第1日曜日は、予約なしの列で2~3時間待ち、結局入場できずに諦めるというケースが続出します。無料だからこそ、パリ市民も観光客も大挙して訪れるのです。
予約必須の理由:
- 入場者数の制限により、予約枠が満席になると入場不可
- 予約ありと予約なしで完全に列が分かれている
- 人気美術館の予約枠は1週間前には満席になることも
予約開始はいつから?
予約開始は、約1ヶ月前(月初に翌月分が開放)。美術館によって予約開始日が異なりますが、多くは毎月1〜5日頃に翌月分の予約枠が開放されます。
ルーヴル美術館の特別ルール
- 公式Xアカウントで予約開始日を告知(約1週間前)
- 人気枠は告知後数時間で満席になる
- 10月~3月のみ第1日曜無料(4月~9月は無料対象外)
第1日曜日に無料開放される主要美術館リスト
【予約必須】人気の美術館(早めの予約推奨)
- ルーヴル美術館(Musée du Louvre)
通常料金:22ユーロ → 無料
無料期間:10月〜3月のみ第1日曜無料(4月〜9月は対象外)
予約:必須(人気枠は即日満席になるため、告知後すぐの予約が必須)
見どころ:世界三大美術館の一つ。「モナ・リザ」「サモトラケのニケ」「ミロのヴィーナス」は必見
【お得情報】ルーヴル美術館は毎月第1金曜日18:00~21:45も無料!
(7月・8月を除く/予約不要/当日17:00頃から並ぶ必要あり)
- オルセー美術館(Musée d’Orsay)
通常料金:14ユーロ → 無料(常設展示)
予約:必須(公式サイトより)
おすすめ時間帯:早朝9:30〜10:30が比較的空いている
見どころ:印象派・ポスト印象派の宝庫。モネ、ゴッホ、ルノワール、セザンヌなど、誰もが知る名画の数々を鑑賞できる
- オランジュリー美術館(Musée de l’Orangerie)
通常料金:12.50ユーロ → 無料
予約:必須
見どころ: モネの大作「睡蓮」連作。チュイルリー公園内にある小さな美術館ですが、モネの「睡蓮」の展示室は圧巻の美しさ
- ポンピドゥー・センター(Centre Pompidou)
通常料金:18ユーロ → 無料
予約:推奨(当日入場も可能だが混雑)
見どころ:現代アートの殿堂。ピカソ、マティス、カンディンスキーなど20世紀以降のアート作品が充実
補足:現在、休館中(2025年〜2030年)
- ギュスターヴ・モロー美術館(Musée Gustave Moreau)
通常料金:8ユーロ → 無料
予約:推奨
見どころ:象徴主義の巨匠モローの自宅兼アトリエ、「出現」をはじめとする宗教画・神話画をはじめ、幻想的な世界観が楽しる
- ケ・ブランリー=ジャック・シラク美術館(Musée du Quai Branly – Jacques Chirac)
通常料金:14ユーロ → 無料
予約:推奨
見どころ:アフリカ、アジア、オセアニア、アメリカなど、世界各地の民族芸術を集めたユニークな美術館。緑あふれる建築空間も魅力
【予約不要】当日訪問可能な美術館
- ピカソ美術館(Musée Picasso)
通常料金: 16ユーロ → 無料
予約: 不要(予約システムなし)
見どころ:ピカソの作品が5,000点以上所蔵されており、彼の芸術の変遷を辿ることができる。
- ロダン美術館(Musée Rodin)
通常料金:14ユーロ → 無料
無料期間:11月〜3月の第1日曜日のみ
予約:不要
見どころ:「考える人」「地獄の門」などロダンの彫刻をはじめ、美しい庭園に彫刻が並ぶ。
- ギメ美術館(Musée Guimet)
通常料金:13ユーロ → 無料
予約:不要
見どころ:日本の仏教美術や中国・インドの美術品が充実しており、東洋文化に触れられる。
- ウジェーヌ・ドラクロワ美術館(Musée national Eugène Delacroix)
通常料金:9ユーロ → 無料
予約:不要
見どころ:ロマン主義の巨匠ドラクロワのアトリエを美術館にした空間。サン・ジェルマン・デ・プレ地区の隠れた名所。
- クリュニー中世美術館(Musée de Cluny)
通常料金: 12ユーロ → 無料
予約: 不要
見どころ:中世の美術や工芸品が展示されている。「貴婦人と一角獣」のタペストリーが有名。ローマ時代の浴場跡も見学できる。
【常時無料】パリ市立美術館は第1日曜以外もいつでも無料
以下のパリ市立美術館は、常設展示がいつでも無料で鑑賞できます(特別展は有料)。
- プチ・パレ(Petit Palais) – ルネサンスから19世紀の美術
- パリ市立近代美術館 – 20世紀現代アートのコレクション
- カルナヴァレ美術館 – パリの歴史専門
- ヴィクトール・ユゴー記念館 – 「レ・ミゼラブル」の作家の家
- バルザックの家 – 作家バルザックの旧居
【体験レポート】第1日曜日の混雑状況と待ち時間
予約方法は分かったけど、実際どのくらい混雑するの?予約していても本当にスムーズに入れる?そんな疑問にお答えするため、実際に5月第1日曜日にオルセー美術館を訪れた時の様子を詳しくレポートします。
実際の訪問記録(5月第1日曜・オルセー美術館)
- 予約時間 11:00
- 到着時刻 10:30(30分前到着)
到着時の状況
- 予約済みの列 約200人以上
- 予約なしの列 約50人(その後さらに増加)
当日の流れ
- 10:30 到着、すでに長蛇の列
- 11:10 予約時間を過ぎても列は動かず
- 11:15 係員が「11時予約の方!」と声をかけ、別入口へ誘導
- 11:20 荷物検査とチケット確認
- 11:25 無事に入館完了!
結果:予約時間から約25分で入館
体験から学んだポイント
- 予約済みでも待ち時間20~30分は想定すべき
- 係員の案内に素早く反応するのがコツ
- 30分前到着が安心
- 予約なしの列は2~3時間待ちも珍しくない
【ステップ・バイ・ステップ】予約方法の完全ガイド
オルセー美術館の予約方法(例)
STEP 1:公式サイトにアクセス(オルセー美術館の場合)
STEP 2:「Billetterie」(チケット)をクリック
STEP 3:カレンダーから第1日曜日を選択
- 「Gratuit」または「Free」と表示されている日
- 時間枠を選ぶ(9:30 / 10:30 / 11:30 / 13:00 / 14:30 など)
STEP 4:アカウント作成またはゲスト予約
- メールアドレスと基本情報を入力
- 予約確認メールが届く
STEP 5:当日はメールまたはスマホ画面を提示
- プリントアウトまたはスマホでQRコードを見せる
- 予約時間の15分前には到着を
予約のコツ
- 予約開始は約1ヶ月前(月初に翌月分が開放される)
- 人気の時間帯(10:00〜12:00)はすぐ埋まる
- 13:00〜15:00は比較的空いている狙い目
パリ滞在中は海外Wi-FiやeSIMが必須
Googleマップでの道案内や、レストラン予約、SNSへの投稿もストレスフリー。複数人での利用ならWi-Fiルーター、一人旅ならeSIMがお得です。
▶︎ WiFiレンタル:【グローバルWiFi】受取・返却が空港で便利
▶︎ eSIM: 充電・返却不要!海外旅行なら【JAPAN &GLOBALeSIM】スマホだけで設定完了、荷物にならない
【裏ワザ】予約できなかった場合の対処法
裏ワザ1: 当日キャンセル枠を狙う
朝9時頃、公式サイトを何度かチェックするとキャンセル枠が出ることがあります。
裏ワザ2:予約なしの列に並ぶ(非推奨)
開館2時間前(7:30頃)から並べば入れる可能性がありますが、待ち時間は2〜3時間覚悟。時間に余裕がある方のみ。
裏ワザ3:別の日曜日に通常料金で行く
無料日以外の日曜は予約が取りやすく、16ユーロで快適に鑑賞できます。
裏ワザ4:予約不要の美術館を狙う
ピカソ美術館、ロダン美術館(11〜3月)、ギメ美術館なら予約なしでOK。
裏ワザ5:ルーヴルは第1金曜日も狙い目
毎月第1金曜日18:00~21:45も無料開放(7月・8月を除く)。予約不要ですが、17:00頃から並ぶ必要があります。
【効率的な回り方】1日で複数美術館を巡るモデルコース
コース1:印象派好きにおすすめ(徒歩圏内)
9:30 オルセー美術館(予約済み)
↓ 徒歩5分
12:00 オランジュリー美術館(予約済み)
↓ 徒歩15分
14:00 ロダン美術館(11〜3月のみ/予約不要)
コース2: 定番名作を制覇
9:00 ルーヴル美術館(10〜3月のみ/予約済み)
↓ メトロ1号線
13:00 ピカソ美術館(予約不要)
↓ 徒歩10分
15:30 カルナヴァレ美術館(常時無料)
無料開放日以外で無料になる人
以下に該当する方は、いつでも無料で入場できます。
- 18歳未満(国籍問わず)
- 18~25歳のEU圏在住者
- 障がい者手帳をお持ちの方とその付添人1名
- 失業者(証明書類が必要)
パリ旅行をもっとお得に!パリミュージアムパスの活用
第1日曜日以外にもパリの美術館を効率的に回りたいなら、パリミュージアムパスの利用がおすすめです。
パリミュージアムパスとは?
パリ市内・近郊の50以上の美術館・博物館・モニュメントに入場できる共通フリーパスです。
料金
- 2日券:約62ユーロ
- 4日券:約77ユーロ
- 6日券:約92ユーロ
対象施設(一例)
- ルーヴル美術館
- オルセー美術館
- ヴェルサイユ宮殿
- 凱旋門
- サント・シャペル
- オランジュリー美術館
購入方法
- 公式日本代理店サイトで事前購入(郵送対応)
- Klook、GetYourGuideなどの予約サイト
- パリ現地の観光案内所
注意:ハイシーズンは、パリミュージアムパス保有者も一部施設で事前予約が必要です。
よくある質問(FAQ)
Q1:第1日曜日は混雑しますか?
A:はい、非常に混雑します。予約必須の美術館は予約していても20〜30分、予約なしの列は2〜3時間待ちになることも。
Q2:子供や学生も予約が必要?
A:18歳未満は入場無料ですが、時間枠の予約は必要です。予約時に無料チケットを選択してください。
Q3:予約時間に遅れても大丈夫?
A:多少の遅れ(15〜30分程度)は大目に見てもらえることが多いですが、確実ではありません。時間厳守を推奨します。
Q4:特別展も無料ですか?
A:基本的に常設展示のみ無料です。特別展は別料金がかかる場合があります。
Q5:雨の日でも混雑しますか?
A:室内施設なので、雨の日はさらに混雑する傾向があります。
まとめ|第1日曜日の美術館無料開放を最大限活用しよう
パリの第1日曜日は、世界的名美術館が無料で楽しめる特別な日。しかし、事前の計画と予約が成功の鍵です。
重要ポイントのおさらい
- 予約は1ヶ月前から、人気美術館は1週間前には満席
- ルーヴル美術館は10〜3月のみ第1日曜無料
- 予約済みでも30分前到着が安心
- 予約不要の美術館も選択肢に入れる
- 常時無料のパリ市立美術館も活用
年間12回しかない貴重なチャンスを逃さず、賢く美術館巡りを楽しみましょう!
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最終更新日: 2025年11月
情報は変更される場合があります。訪問前に各美術館の公式サイトで最新情報をご確認ください。
