海外旅行に出かけると、意外と「クレジットカードが使えない!」という場面に出くわすことがあります。実体験では、フランス国鉄のサイトでチケットを購入するとき、事前に海外利用の申請をしていても使えなかった時もありました。国や地域によって使えるブランドやサービスが異なるため、日本で便利なカードが海外では通じないことはよくある話です。
そこで実際の海外旅行での体験をもとに、海外旅行保険の有無や海外手数料、国際ブランドの違いも踏まえて、どのクレジットカード(以下、クレカ)を組み合わせて持っていくのがベストか調べました。
1. 【体験談】日本で便利なクレジットカード──でも海外では想定外の落とし穴が

たくさんのクレカを持つと管理が大変だし、持ち歩いているのも不安になるから、国内でよく使う、国際ブランド(VISAやMastercard)のクレカ1枚とデビッドカードがあれば十分だと思っていました。
実際、日本では何の不便もありません。コンビニ、ドラッグストア、電車のICチャージ、ネットショッピングなど、どこでも問題なく使えて、ポイントがしっかり還元され、国内で優秀なカードなのは間違いありません。
ですが、それがフランス滞在中に思わぬ形で裏切られることになりました。
その理由は、「思わぬところで決済できない」「突然利用が制限される」といったトラブルが、日本発行のクレカでは海外で実際に起きることがあるからです。
フランス国鉄SNCFのチケットが買えない!?
まず最初に困ったのが、フランスの国鉄SNCFのオンラインチケット購入です。パリからモンペリエまでの電車を予約しようと、公式サイトで購入手続きをしたところ、「お支払いできません。このクレカは利用できません。」と表示され、もう1度入力しても、決済できません。
エラーの詳細が一瞬だけ出たのですが、読むことができず、何回も繰り返して予約が取れなくなっても困るので、その時に予備として持ってきていたクレカで決済すると、「予約完了」となり、予約のメールが届き、胸を撫で下ろしました。
もちろん、事前にコンタクトセンターに連絡をしたらいいのですが、予定の変更や、刻々と時間が迫り、値段が上がっていってしまうこともあるため、いいチケットを見つけたらその場で予約したいものです。
荷物配送サービスMes Luggageでも
続いてトライしたのが、荷物配送サービスのMes Luggage。フランス国内で、スーツケースをホテルや滞在場所から空港や指定の場所に送ってくれる、便利なサービスなのですが、ここでもそのクレカは使えませんでした。
金額は約80ユーロ(約14,000円)でしたが、やはり決済エラーが出て、結局予約ができず、再度、予備のクレカで決済すると、予約完了となりました。
パリ市場での決済トラブル体験
パリの小さな市場で5ユーロの買い物をするときに、タッチ決済したところ、反応せず、もう一度試してもできません。店員さんは「端末のバッテリーがないのかも」と、別の機械で再度チャレンジしましたが、それでも反応なし。端末にレシート用の紙が入っていなかった理由で、再度やり直し、ようやく決済が通ったものの、たった5ユーロの買い物に、3回もタッチしました。
「機械では反応しなくても、回線が繋がったときに、履歴として重複してカウントされるのでは?」と不安になりました。そのとき使用したクレカは、利用してすぐに履歴が反映されないため、その場で確認が取れません。明細に表示されるのは数日後。またそのお店は「明日から3週間のバケーションに入る」と言っていたので、もし重複決済されていたらどうしようかと不安になりました。店員さんは「万が一、決済が重複していたら、このレシートを持参してくれれば返金します」と言ってくれたため、安心してその場を後にしました。
この経験から、「支払いと同時に通知が来るカード」が安心だと実感しました。たとえばクレカを利用した瞬間に登録メールアドレスへ通知が届くと安心です。数日後に反映されるタイプより、即時性のあるカードの方が海外では特に安心だと感じました。
2. 海外利用は事前申請しても安心できない?時差やセキュリティで使えないことも

利用予定があらかじめ分かっているは、海外利用の制限を事前に解除する手続きをしておくことで、スムーズに決済できることがあります。
「海外での大きな買い物の予定がある」「フランスのサイトで数十万円の支払いがある」など、あらかじめ日時が分かっている場合は、出発前に知らせておくのがおすすめです。
こうした事前の準備があれば、当日スムーズに決済が通り、セキュリティロックによるストップを回避できる可能性が高くなります。
しかし、以下の点に注意です。
タイムゾーンの壁「日本のカスタマーサービスが開いてない」
この時差の壁は、本当に大きな問題です。例えばフランスでランチの支払いをしようとした13時は、日本ではすでに20時(サマータイム時)。この時間帯に、もし日本のサポートセンターが開いていなければ、万が一トラブルが起きてもその場で解決できません。旅行中の限られた時間を何時間も失うことになり、精神的な負担も大きくなります。
事前申請しても「必ず使えるわけではない」ということもある
また別の日に、フランス国鉄(SNCF)のチケット購入しようと、以前に使えなかったクレカで、再度試してみることにしました。高額決済だからか、セキュリティの影響なのか確かめるため、サポートセンター経由で事前に利用申請を行いましたが、案内されたのは「24時間有効。ただし、申請しても必ず利用できるよは限らない」という注意点でした。
結果、やはりエラーになり、決済は通りませんでした。しかし、そのクレカはまったく使えないわけではなく、フランス国内では以下のような場面で問題なく利用できました。
- フランスのスーパー(カルフール(Carrefour)、モノプリ(Monoprix)、オーシャン (Auchan)など)
- カフェ、レストラン、ドラッグストア
- メトロ・バスのチケット購入(タッチ決算対応の場合)
- Amazon.fr(フランス版Amazon)などのオンラインショッピング
つまり、日本発行のクレカは、日常の買い物や食事では十分役立つ一方で、高額決済や一部サービスでは通らないケースがあるため、複数のカードを併用することが海外では安心につながると感じました。
3. 実体験からわかった、海外旅行に最適なクレカとは?

こうした経験から、海外で安心して使えるカードは、即時通知機能や日本語サポート、海外旅行保険が充実していることが重要だと分かりました。それでは実体験をもとに、海外旅行で持っていくといいクレカを考えてみました。
海外旅行で安心できるクレカの条件
① 安全性・セキュリティ
- 不正利用防止機能:海外での不正利用を監視しているか
- 利用通知:決済があったら即時メールやアプリで通知が届く
- 暗証番号・チップ対応:ICチップやPINコードがあると安心
- 24時間サポート:海外でも日本語で問い合わせ可能な窓口
- 事前申請の方法:海外利用通知、限度額調整など
海外サポートデスク(日本語対応)
・カード会社が設置している海外デスク(例:JCBプラザ、エポス海外デスク)
・紛失・盗難時の緊急カード再発行やキャッシュサービス
・医療機関の紹介や通訳サポート
② 利便性
- 渡航先で使えるブランド:VISA, Master, JCB, Amexの対応状況
- タッチ決済やコンタクトレス対応:少額決済もスムーズ
- 複数カードの併用:1枚だけでなく予備のカードを持つと安心
国際ブランド
Visa, Mastercard:世界で最も使いやすい
JCB:アジア(特に日本・ハワイ・台湾など)では強いが欧州では弱い
Amex:利用可能店舗は限られるがサービス面は最強
③ 手数料・コスト
- 年会費:あり/無料/条件付き
- 海外利用時の手数料:海外事務手数料は何%か、ATMでの現地通貨引き出し手数料
- 海外利用時のポイント還元率:海外で買い物してもポイントやマイルが付くか
海外利用手数料(Foreign Transaction Fee)
・海外では少額決済でも海外事務手数料3.63%がかかる
・少額決済よりも 航空券やホテルなど高額決済で利用する方がポイントの価値が出やすい
・頻繁に使うなら、外貨手数料が低い、またはポイント還元で相殺できるカードを選ぶ
海外利用手数料(Foreign Transaction Fee)計算例
※クリックで開きます
多くの日本発カードは海外利用時に 利用額の1.6〜3.85%程度、海外利用手数料として上乗せされる。
例:2025年8月時点、楽天カード(Visa/Mastercard)の海外で利用した場合
1,000円支払い
海外事務手数料:3.63%(税込)→1,000円 × 3.63% =36円(36.3円)
海外での利用額:1,000円
楽天ポイント還元率(楽天ポイントコース):1.0%→1,000円 × 1.0% = 10ポイント
=1,026円/ 実質26円のコスト
海外利用時の手数料とポイント還元率表(2025年9月)
※クリックで開きます
→ 表は横にスクロールできます
カード | カード名 | 海外利用手数料(為替手数料) | ポイント還元率(海外利用時) | 備考・特徴 |
---|---|---|---|---|
![]() | 楽天プレミアムカード | 3.63% | 0.5% | 楽天市場利用で高還元、プライオリティ・パス付帯 |
![]() | dゴールドカード | 3.85% | 1.0% | dポイントが貯まりやすい |
![]() | ライフカード(旅行傷害保険付き) | 3.85% | 0.5%(誕生月 1.5倍) | 海外利用時に最大4%キャッシュバック |
![]() | TRUST CLUBワールドカード | 3.63% | 最大1.65% | 年間利用額に応じたボーナスポイントあり |
![]() | リクルートカード | 3.85% | 1.2% | 高還元率 |
![]() | エポスカード | 3.85% | 0.5% | 年会費無料 |
④ 海外旅行保険・補償
- 海外旅行傷害保険の有無:自動付帯・利用付帯の違い
- 傷害・病気の治療費用:現地の医療費は高額になりやすい
- 賠償責任:事故で他人にケガをさせた場合など
- 救援者費用:家族が現地に駆けつける交通費など
- 携行品損害:スリや盗難
- キャンセル補償:飛行機遅延など
緊急キャッシュサービス
・カードを紛失しても、提携銀行で緊急キャッシング可能(アメックス・Visa・Masterに多い)
・現金が必要になることが多い国では必須
「利用付帯」より「自動付帯」が望ましい。ただし最近は利用付帯が主流なので、複数カードを組み合わせて補償額を増やすのも有効。
海外旅行保険付帯のクレジットカード
2025年4月以前は自動付帯だった海外旅行保険付きクレカも、多くが現在は利用付帯に変更されています。航空券やツアー代金をカードで支払った場合にのみ補償されるカードもあり、保証内容や期間はカードごとに異なります。
かつて年会費無料で自動付帯だったエポスカードも利用付帯に変わっており、自動付帯カードは年会費が高額なことが多いですが、利用付帯カードでも支払い方法を工夫すれば手厚い補償を受けられます。
海外旅行保険表(2025年9月)
※クリックで開きます
→ 表は横にスクロールできます
カード | カード名 | 年会費 | 保険付帯 | 傷害死亡・後遺障害 | 傷害治療 | 疾病治療 | 賠償責任 | 携行品損害 | 補償期間 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
![]() | 楽天プレミアムカード | 11,000円 | 自動付帯 | 4,000万円(最高5,000万円) | 300万円 | 300万円 | 3,000万円 | 30万円(最高50万円) | 日本出国から90日間 |
![]() | dゴールドカード | 11,000円 | 自動付帯 | 5,000万円(最高1億円) | 300万円 | 300万円 | 5,000万円 | 最高50万円 | 日本出国から90日間 |
![]() | ライフカード(旅行傷害保険付き) | 無料(次年度以降1,375円) | 自動付帯 | 2,000万円 | 200万円 | 200万円 | 2,000万円 | 20万円 | 日本出国から90日間 |
![]() | TRUST CLUBワールドカード | 13,200円 | 利用付帯 | 7,000万円 | 200万円 | 200万円 | 3,000万円 | 30万円 | 支払いから90日間 |
![]() | リクルートカード | 無料 | 利用付帯 | 2,000万円 | 100万円 | 100万円 | 2,000万円 | 20万円 | 日本出国から90日間 |
![]() | エポスカード | 無料 | 利用付帯 | 3,000万円 | 200万円 | 270万円 | 3,000万円 | 20万円 | 支払いから90日間 |
海外旅行保険自動付帯クレジットカード
楽天プレミアムカード

- 年会費:11,000円
- 保険付帯:自動付帯(傷害治療300万円)
- 海外利用手数料(為替手数料):3.63%
- ポイント還元率(海外利用時):0.5%
- その他:国内外の空港ラウンジ無料利用、プライオリティ・パス年間5回無料、トラベルデスク利用、購入商品補償付きで旅行や日常の利便性が高い
旅行を快適&安心に!詳細はこちらから▶︎ 楽天プレミアムカード
dカードゴールド

- 年会費:11,000円(税込)
- 保険付帯:自動付帯(傷害治療 300万円)
- 海外利用手数料(為替手数料):約3.85%
- ポイント還元率(海外利用時):1.0%
- その他:国内空港ラウンジ無料利用、ケータイ補償付き、ドコモ利用料金・d払い利用でポイント還元、各種優待サービスあり、トラベルデスク
ポイントもお得に貯めたいなら!詳細はこちら▶︎ dカードゴールド
ライフカード(旅行傷害保険付き)

- 年会費:初年度無料、次年度以降 1,375円(税込)
- 保険付帯:自動付帯(傷害治療 200万円)
- 海外利用手数料(為替手数料):約3.85%
- ポイント還元率(海外利用時):0.5%(誕生月 1.5倍)
- その他:誕生月ポイント3倍、海外利用で最大4%キャッシュバック、カード利用金額1,000円につき1ポイント(1ポイント=5円相当)
旅行中の万一も安心!詳細はこちらから▶︎ライフカード
海外旅行保険利用付帯クレジットカード
TRUST CLUBワールドカード

- 年会費:13,200円(税込)
- 保険付帯:利用付帯(傷害治療 200万円)
- 海外利用手数料(為替手数料):約3.63%
- ポイント還元率(海外利用時):最大1.65%
- その他:国内31空港ラウンジ利用可能、プライオリティ・パス対応、手荷物宅配サービスや旅行優待が充実、ポイント還元0.75%
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リクルートカード

- 年会費:無料
- 保険付帯:利用付帯(傷害治療 100万円)
- 海外利用手数料:3.85%(為替手数料)
- ポイント還元率:1.2%
- その他:国内外ショッピング保険(200万円)、高還元率(1.2%)、Pontaポイント/リクルートポイント連携、公共料金支払い可
年会費無料でポイントも旅行もお得なリクルートカード!詳細はこちらから▶︎リクルートカード
エポスカード

- 年会費:無料
- 保険付帯:利用付帯(傷害治療 200万円)
- 海外利用手数料(為替手数料):約3.85%
- ポイント還元率(海外利用時):0.5%
- 海外ATMキャッシングも可能、即時利用通知あり、海外利用ポイント還元は0.5~1.0%
初めての海外旅行でも安心!詳細はこちらから▶︎ エポスカード
海外旅行で安心できるクレカの条件
・即時通知がある
・海外旅行保険
・日本語対応のサポートデスク
・海外利用手数料が安い、またはポイント還元で補える
・海外ATMでのキャッシング機能
・Visa/Masterを1枚+別ブランドを1枚
・緊急時のキャッシュサービス
・ラウンジや手荷物宅配など快適サービス
この条件を満たすカードを複数枚持っておくと、海外旅行中の不安を大幅に減らせます。
4. まとめ|クレカの組み合わせ
フランスでの体験から強く実感したのは、海外旅行ではクレジットカードを1枚だけに頼るのは危険だということです。安全性を重視して即時通知が届くカードをメインに使い、旅行保険が手厚いカードをサブとして持つ。そして、万が一に備えて年会費無料の予備カードも用意しておく。たった2~3枚を賢く使い分けるだけで、旅先での支払いはぐっと安心になります。
こうした工夫をすることで、トラブルの不安を減らしながら、ポイントもお得に貯められ、海外旅行をより自由に、安心して楽しむことができるのです。
選んだクレカ
1枚目:メインカード(即時通知対応)
- 海外利用時の安全性を最優先
- 不正利用の早期発見や支払い確認に便利
- Visa/Masterは世界で最も加盟店が多く、欧州・北米・アジアのほぼ全地域で安心
- ポイント還元率が高く、保険も充実しているため、長期滞在や高額利用に向く
即時通知ですぐに支払いを確認できる▶︎ TRUST CLUBワールドカード

2枚目:サブカード(旅行保険が手厚いカード)
- 万が一の病気・事故や手荷物トラブルに備える
- メインが使えない場合の補助としても活躍
- タッチ決済(Visaの「コンタクトレス」)対応で、海外の電車やバスでも使いやすい
- 海外でもVisa/Masterなら決済可能(JCBやAmexは一部の国では弱い)
保険自動付帯のクレカで最低限の補償を確保▶︎ 楽天プレミアムカード

3枚目:予備カード(年会費無
- 国内外ショッピング保険(200万円)
- ポイント高還元率
年会費無料で、旅行もショッピングも安心の予備カード▶︎ リクルートカード

さいごに
たった3枚でも、賢く組み合わせるだけで海外旅行中の不安を大幅に減らし、ポイントも効率よく貯められる。実際に私がフランスで体験したように、カードが使えないなんてことは意外とあります。でも、事前に複数のカードを準備しておけば慌てずに済みます。この記事を参考に、自分の旅行スタイルに合ったカードを選んで、ストレスフリーで楽しい旅を満喫してください。