クロード・モネ『睡蓮』を堪能する!オランジュリー美術館の魅力

芸術エッセイ

オランジュリー美術館は、ルーブルの隣、チュルリー公園内に佇む、シンプルな内装の美術館です。パリを代表する美術館ですが、1日から半日は要するルーブル美術館やオルセー美術館と違い、規模は小さめなので一つ一つ作品を堪能できます。

ここでしか見ることができないクロード・モネの集大成『睡蓮』の巨大なパネルが360度パノラマに置かれた作品は、そこは美術館ではなく、彼が愛したジヴェルニーの池にいる気持ちになるでしょう。

オランジュリー美術館のクイック情報

入場料12.50€
タイムスロットの予約あり(こちらから)
開館時間9:00-18:00(火曜日閉館)
ナイトミュージアム木曜日 9:00-21:00
無料開放日第一日曜日(要予約)
オーディオガイドあり(5€)
ショップ、カフェあり(地下1階)
ロッカーあり(リュックとベビーカー、大型荷物のみ)
作品の数約150点
作品の種類絵画、オブジェクト
芸術形式印象派、ポスト印象派
所要時間1時間半
空いてる時間帯午前中
有名作品クロード・モネ『睡蓮』シリーズ
建設立
1852年ナポレオン3世が作った温室を改造
建築家カミーユ・レフェーヴル
公式サイトオランジュリー美術館
住所Jardin des Tuileries Place de la Concorde(côte Seine)75001 Paris
最寄り駅コンコルド駅(Concordo)
Metro1、8、12号線


オランジェリー美術館は訪れる価値があるにはなぜ?

クロード・モネ(Claude Monet)『睡蓮』(Les Nymphéas)
1918年11月11日の終戦の翌日に、モネの友人であるジョルジュ・クレマンソーを介して、平和のシンボルとしてフランスに贈られました

クロード・モネの集大成『睡蓮』シリーズをパノラマで見ることができます。また2006年にオランジュリー美術館のリニューアル後、クロード・モネの『睡蓮』の部屋には、天井にガラスがはめられ、そこから差し込む光によって、絵画だけでなく部屋全体が変化し、過ぎゆく時間と無限の世界を感じます。モネ自身が表現した”すべての果てしない幻影、水平線と岸辺のない波”の風景といえるでしょう。

1893年以降、自宅のジヴェルニーの日本庭園からインスピレーションを得ながら、すべての壁を包み込み一体化するパノラマ作品を思いつきました。円形から楕円形、そして無限のシンボルを描く二重の楕円形へと変化し、8枚の睡蓮の作品で、観る人を包み込むような空間にしました。

彼の絵は、同じ場所で時間や季節によって光の加減が変わり続ける様子を描いてきました。室内にいながら外の天気が館内に反映されることにより、パノラマに置かれた睡蓮の絵画を見ていると、モネが愛したジヴェルニーの池にいるような錯覚をもたらします。

年々視力が衰えていったクロード・モネが見る睡蓮の池が、このオランジュリー美術館で彼と共に生き続けています。20世紀前半の絵画作品の中で最も偉大な作品の一つとされています。


オランジェリー美術館見どころ

アンリ・ルソー(Henri Rousseau):La Carriole du père Junier ジュニエ爺さんの二輪馬車(1908

19世紀末から20世紀初頭の作品が集まっている、印象派からエコール・ド・パリの作品で、絵画コレクターだったポール・ギヨームの収集品の数々で作られています。

アンリ・ルソー(Henri Rousseau)に描かれるキャラクターはすべて真正面か真横を向いています。そして遠近法がほとんどない、2次元の絵から作られる独特なタッチです。彼は税関士として働きその合間に絵を描いていました。彼の絵の評価は賛否両論でしたが、ロートレック、ゴーギャン、ピカソなどが彼を評価していました。


マリー・ローランサン(Marie Laurencin)

マリー・ローランサン(Marie Laurencin):Portrait de Mademoiselle Chanel ココ・マドモアゼル・シャネルの肖像画(1923)

マリー・ローランサン(Marie Laurencin)は、ココ・シャネルと同じ年の1883年に生まれ、女性として自立し自由にいきたパリの女性画家の1人。

1920年代、パリの社交界では彼女に肖像画を依頼することがステータスになっていました。ココ・シャネルも彼女に肖像画を描いてもらいましたが、出来上がった作品に満足できず、描き直しを依頼するもマリー・ローランサンは譲らなかったため、シャネルの手に渡ることがありませんでした。


アンリ・マティス(Henri Mattise)

フォーヴィスム:野獣派(Fauvisme)を代表するアーティスト、心が感じる色彩で描かれている。

この作品は、1人は読書をしていて、1人は冷静な目でこちらを直視している、後ろの女性も直視しているがどこか柔らかさを感じる。服装がそれぞれの雰囲気も出していて、違った個性を感じます。

アンリ・マティス(Henri Mattise)、Les trois soeurs 三姉妹(1917)


アンドレ・ドラン(André Derain)

アンドレ・ドラン(André Derain)、Portrait de Madame Paul Guillaume au grand chapeau 大きな帽子をかぶったポール・ギョーム夫人の肖像(1928-1929)

彼もフォーヴィスム:野獣派(Fauvisme)を代表するアーティストの1人。この絵画はアートコレクターのポール・ギヨームの夫人、ドメニカ・ポール・ギヨームの肖像画です。

彼女はポール・ギヨームの死後、彼のコレクションを引き継ぎました。当時の法律では、遺産は息子にしか引き継がれなかったが、彼女には子供がいなかったため、男の子の養子をもらい、そのコレクションを引き継ぎました。しかしその養子が謎の死を遂げたため、世間からは疑いの目で見られていたといいます。

この絵からは彼女の本来の姿なのか、大衆からのイメージなのか、彼女の光沢のある上質なローブや大きな帽子から彼女のブルジョワな生活を感じられます。


オランジュリー美術館おすすめチケット

パブロ・ピカソ Pablo Picasso:Femme avec tambourin タンバリンを持つ女(1925)

オランジュリー美術館は、そこまで混雑しないと思いますが限りある時間を有効的に使うためにも、前日までにチケットを購入して、時間を予約することをおすすめします。

また毎月第一日曜日は、無料開放日になっています。予約は1ヶ月前からホームページからできます。


オランジュリー美術館の所要時間と最適な時間

私がオランジュリー美術館が訪れたのは、第一日曜日の無料開放日でした。オンラインで事前に予約していたのと、人数の制限もしていたと思うので、比較的空いていました。

14時にオランジュリ美術館に着き、同じ時間帯で入る人たちもいましたが、10人程度で、係の人にチケットを見せて、並ぶことなくスムーズに中に入ることができました。

一つ一つの展示場所に椅子があるので、そこに座って絵画を見ていきました。すべての作品を見終えた時に時間を見ると、1時間半たっていました。ショップもチェックするなら2時間あると余裕ですべて見て回れると思います。

空いてる時間帯は他の美術館と同じく、平日の午前中が適していると思います。


オランジュリー美術館を訪れるためのヒント

ヘンリ・ルソー Henri Rousseau:La Guerre 戦争 (1894)
  • クロークは無料、56×45×25cm未満のスーツケース、バックパック、リュックサックは預けられます。ベビーカーも置いている人がいましたが、ショルダーバックなどは預けられなかったので、軽装で行くことをお勧めします。
  • 写真撮影は許可されていますが、フラッシュや三脚その他の物理的な機器は禁止されています。
  • 各部屋に椅子があるので、座りながらじっくり観察できます。
  • 特別展示会については、こちらから→公式サイト


さいごに

オランジュリー美術館は、シンプルでこじんまりとしたミュージアムですが、それゆえに一つ一つの作品をゆっくり堪能できます。そしてクロード・モネファンにとっては、彼の芸術家としての集大成を見ることができるだけでなく、彼が愛した睡蓮の池で、少し座って静かに瞑想してみるのもいいかもしれません。

ここは見るだけでなく、体感型の美術館といってもいいかもしれません。

多くの美術愛好家や観光客を魅了し続けているオランジュリー美術館に一度訪れてみてはいかがでしょうか。

オランジュリー美術館

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