パリのシテ島にあるサント・シャペル(Sainte-Chapelle)は、『天国に一番近い場所』と称される13世紀のゴシック建築の傑作です。高さ15メートルの巨大なステンドグラスが織りなす光の芸術は、まるで宝石箱の中にいるような感動を与えてくれます。この記事では、実際にサント・シャペルを訪れた体験をもとにまとめています。

サント・シャペルは、フランス国王ルイ9世(聖ルイ)が1242年から1248年にかけて建設した王室専用の礼拝堂です。キリストの茨の冠などの聖遺物を安置するために造られました。


ゴシック建築の最高傑作『レイヨナン様式

建物は「レイヨナン様式」と呼ばれるゴシック建築の一種で、大きな窓から光を取り込み、繊細で装飾的なデザインが特徴です。壁の大部分がステンドグラスで覆われた構造は、当時の建築技術の粋を集めた奇跡とも言える作品です。


サント・シャペルの見どころ

サント・シャペル(Sainte-Chapelle)上階礼拝堂


圧巻の15枚のステンドグラス

サント・シャペルの最大の見どころは、上階礼拝堂を彩る15枚の巨大なステンドグラスです。各窓の高さは約15メートルで、聖書の物語を1,113の場面で表現しています。

  • 入口正面: キリストの受難
  • 左側から順に: 創世記から旧約聖書の物語
  • 最奥部: キリストの復活
  • 正面奥: 黙示録を描いたバラ窓

晴れた日の午前中から昼過ぎにかけて訪れると、太陽の光がステンドグラスを通して室内を照らし、まるで宝石の中にいるような幻想的な体験ができます。天井は深い青色に金の星が描かれ、夜空のような美しさです。


下階礼拝堂の静かな美しさ

下階礼拝堂は、王宮の使用人たちが使用していた空間で、上階とは異なる落ち着いた雰囲気があります。柱や天井の色彩、パリ最古の壁画など、細部まで丁寧に装飾された建築美を楽しめます。



サント・シャペル訪問のヒント

私が訪れたのは午前10時ごろ、すでに予約列に50人ほどが並んでいました。ただ、列の流れはスムーズで、30分後には入場できました。上の礼拝堂には常に30人くらい人がいて、少し混んでいましたが、それでも神聖な空間でゆっくり時が流れているせいか、ゆったりとその空間を感じることができました。


見学にかかる時間は、およそ30分から1時間ほど

上階・下階合わせて見学しても1時間あれば十分ですが、ステンドグラスをゆっくり鑑賞したい方は余裕を持って1時間以上確保するのがおすすめです。


周辺観光と組み合わせて楽しむ

隣には、かつては宮殿、その後は牢獄になったコンシェルジュリー(Conciergerie)があります。このコンシェルジュリーとサント・チャペルは、現存する最古のフランス王宮の建造物と言われています。当日有効のセットチケットもあるので、この機会に歴史的建造物の鑑賞もおすすめです。▶︎ サント・シャペルとコンシェルジュリー複合チケット 


さいご

サント・シャペルは、美しいステンドグラスとゴシック建築が織りなす、光と祈りの空間です。また周辺には、ノートルダム大聖堂、セーヌ川クルーズの乗り場などがあります。朝の光でステンドグラスを楽しんだ後は、周辺観光と組み合わせて、のんびり散策してみてはいかがでしょうか。

サント・シャペル(Sainte-Chapelle)

開館時間: 毎日9:00〜19:00(最終入場18:40)
入場料: 約12ユーロ(18歳未満およびEU市民の一部は無料)
入場無料: 第1日曜日(11月〜3月)は入場無料(事前予約不可)
公式サイト: サント・シャペル公式サイト

所要時間: 1時間ほど
混み具合: 少し混雑(平日時)
住所: 4 Boulevard du Palais, 75001 Paris
最寄駅: メトロ4番線「Cité」駅、またはRER B線「Saint-Michel – Notre-Dame」駅



合わせてチェック!

パリ滞在に便利なホテルを探す

日本語対応で安心、料金や空室状況もすぐ確認できます。

Advertisements