ルーヴル美術館やオルセー美術館は有名ですが、実は世界で最も多くクロード・モネ(Claude Monet)の作品を所蔵している美術館がパリにあることをご存知ですか?それが、パリ16区にあるマルモッタン・モネ美術館(Musée Marmottan Monet)です。
かつて個人邸宅だったこの美術館は、印象派の名前の由来となったモネの名作『印象・日の出』(Impression, soleil levant)や、『睡蓮』シリーズなど、ここでしか出会えない貴重な作品が数多く揃っています。
何より魅力的なのは、有名美術館のように観光客であふれることがなく、落ち着いた雰囲気の中でじっくり作品と向き合えることです。まるで隠れ家のような特別な空間で、モネの世界に浸ることができます。
この記事では、実際に訪れた体験をもとに、マルモッタン・モネ美術館の魅力をご紹介します。
マルモッタン・モネ美術館

マルモッタン・モネ美術館は、もともと19世紀の貴族が住んでいた邸宅を美術館にした施設です。1922年、美術史家のポール・マルモッタンがこの建物と美術コレクションを国に寄贈したことから歴史が始まりました。その後1966年、モネの次男ミシェルから100点以上の作品が寄贈され、モネ美術館として世界的に知られるようになったのです。
館内は貴族の邸宅ならではのエレガントな内装がそのまま残されており、美術品を鑑賞しながら19世紀のパリの雰囲気も楽しめます。
なぜモネの作品がこれほど多いのか
モネの息子ミシェルが亡くなった際、遺言でマルモッタン美術館に作品を寄贈したためです。そのため、世界中のどの美術館よりも多くのモネ作品を所蔵しています。
特に晩年の作品や、ジヴェルニーの自宅で描かれた睡蓮シリーズは圧巻。モネが生涯をかけて追い求めた光の表現を、時系列で追体験できる貴重な場所なのです。
マルモッタン・モネ美術館の見どころ

印象派の名前の由来『Impression, soleil levant』(印象・日の出)
美術館最大の目玉が、モネの代表作『Impression, soleil levant』(印象・日の出)です。1872年に描かれたこの作品は、ル・アーヴル港の日の出を描いたもの。当時の批評家が「印象しか描いていない」と批判したことから、印象派という名称が生まれました。
朝もやに包まれた港に、オレンジ色の太陽が反射する様子。近くで見ると荒々しい筆づかいですが、少し離れると光が揺らめいて見える不思議な魅力があります。
展示状況を事前にチェック
この作品は海外の美術館に貸し出されることもあります。事前に公式サイトで展示状況を確認しておくと安心です。
▶︎ 公式サイトはこちらから、マルモッタン・モネ美術館
地下展示室のモネコレクションに圧倒される
美術館の真骨頂は、地下にあるモネ専用の展示室です。1階のショップ横にある階段を降りると、ひんやりとした空間に約100点ものモネ作品がずらりと並んでいます。
展示室の照明も工夫されていて、モネが描いた光と美術館の光が重なり合い、まるで絵の中に入り込んだような感覚になります。作品の前にはたくさんの椅子が用意されているので、座ってゆっくり鑑賞できるのも嬉しいポイントです。
ベルト・モリゾ(Berthe Morisot)温かな日常風景
2階には、女性印象派画家ベルト・モリゾ(Berthe Morisot)の作品が多数展示されています。彼女は有名な画家エドゥアール・マネの弟と結婚した女性画家で、日常の何気ないシーンを柔らかなタッチで描きました。
当時は女性が画家として活動することが珍しかった時代。夫のサポートを受けながら活躍した彼女の作品からは、家族への愛情と温かな光が感じられます。
写真や家族の肖像も展示されており、彼女の人生に触れることができる貴重な空間です。
オーギュスト・ロダン(Auguste Rodin)繊細な彫刻作品
展示室の端にひっそりと置かれている、彫刻の巨匠オーギュスト・ロダン(Auguste Rodin)の作品。説明は不要なほど有名な彫刻家ですが、印象派の絵画に囲まれたこの空間で出会うロダンの彫刻は、また違った魅力があります。
特に女性の背中を表現した作品は、石という硬い素材で作られているとは思えないほど柔らかな曲線美。今にも立ち上がりそうな、静かな脈動を感じさせます。印象派の絵画と合わせて楽しめる、隠れた見どころです。
19世紀貴族の邸宅そのものが芸術品
マルモッタン・モネ美術館では、建物自体も大きな見どころのひとつです。豪華なシャンデリアや美しい家具、当時のまま残された内装が、まるでタイムスリップしたかのような雰囲気を醸し出しています。アートはもちろん、建築やインテリアに興味がある方にもおすすめの空間です。
マルモッタン・モネ美術館に訪れるヒント

混雑を避けるベストな訪問時間と所要時間
実際に訪問してみて、午前中(開館直後〜13時頃)が最も空いています。私は水曜日の開館時間10時に訪れました。チケット売り場には事前購入者が5人ほど並んでいましたが、その場でチケットを購入する列はわずか1人。開館から10分ほどで入場できました。
所要時間は、1時間から2時間を確保しましょう。特に地下のモネコレクションは、椅子に座ってゆっくり鑑賞する時間が必要です。作品と向き合う静かな時間が、この美術館の最大の魅力なので、時間に余裕を持って訪れてください。
オリジナルのマルモッタン・モネ美術館カタログ
マルモッタン・モネ美術館の公式アプリをダウンロードして、お気に入りの絵画の紹介パネルをカメラに合わせると、その作品が表示され、合計8点以上から自分だけのカタログが作成できます。
パリ滞在中はWi-Fi環境が必須
美術館の公式アプリを使ったり、Googleマップで道案内を見たり、レストランを予約したり。旅行を快適にするには、インターネット環境が欠かせません。
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ミュージアムショップとガーデンカフェ
1階のショップには、マルモッタン美術館オリジナルのグッズが充実しています。ここでしか手に入らないアイテムも多いので、お土産探しにぴったりです。
- 展示作品をモチーフにしたトートバッグ
- ポストカードや文房具
- 印象派関連の書籍(フランス語・英語)
- モネの睡蓮デザインのマグカップやスカーフ
夏季限定のガーデンカフェ
夏の期間(6月〜9月頃)だけオープンする、ガーデンカフェ『Le Jardin Marmottan』もおすすめ。美術館の入場チケットがあれば利用できる屋外スペースで、静かな庭園でお茶を楽しめます。モネの作品を鑑賞した余韻に浸りながら、ゆったりとした時間を過ごせる特別な空間です。
さいごに
マルモッタン・モネ美術館は、静かな環境の中でモネの作品をゆっくり鑑賞できる、パリの隠れた名所です。世界最大級のモネコレクションをはじめ、モルゾやロダン、ピサロといった印象派や近代美術の名作も、19世紀の邸宅や美しいインテリアの中で楽しめます。
美術館の後には、徒歩10分ほどのボローニュの森を散策したり、閑静な住宅街の雰囲気を味わったりするのもおすすめです。パリ旅行では、ぜひ訪れてモネが愛した光と色彩の世界に浸ってみてください。
マルモッタン・モネ美術館(Musée Marmottan Monet)
開館時間: 10時〜18時(月曜休館、木曜日21時まで)
入場料: 14€
公式サイト: マルモッタン・モネ美術館公式サイト
有名作品: クロード・モネ『Impression, soleil levant(印象・日の出)』
ロッカー: あり(無料)
住所: 2 Rue Louis Boilly, 75016 Paris,France
アクセス: メトロ9号線 La Muette(ラ・ミュエット)駅から徒歩約7分
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