パリのシテ島に佇むコンシェルジュリー(Conciergerie)は、フランス革命の歴史を肌で感じられる貴重なスポットです。かつて王族の宮殿として栄えた建物はやがて革命期の監獄となり、マリー・アントワネット(Marie Antoinette)が処刑前の94日間を過ごした独房も当時の面影を残しています。この記事では、コンシェルジュリーを実際に訪れた体験をまとめています。


コンシェルジュリーとは

コンシェルジュリーは、パリ中心部のシテ島にある『シテ宮(Palais de la Cité)』の一部です。14世紀にはカペー朝やヴァロワ朝の王が暮らす宮殿として栄え、数百年にわたりフランス王家の政治・司法の中心でした。


王の宮殿から革命の監獄へ

ルイ14世がヴェルサイユ宮殿へ移ると、コンシェルジュリーは裁判所や監獄としての役割を強めていきます。そして1789年のフランス革命後、この場所は革命裁判所の中心となり、約2,700人もの囚人が収容されました。


マリー・アントワネット最後の94日間

1793年8月、マリー・アントワネットはコンシェルジュリーの狭い独房に幽閉されます。かつて豪華なヴェルサイユ宮殿で暮らしていた王妃が、冷たい石の床と薄暗い部屋で94日間を過ごし、処刑の日を迎えました。この独房は現在も保存されており、当時の様子が再現されています。


コンシェルジュリー見どころ

ガイド端末(ヒストパッド L’Histopad)による衛兵の広間(Salle Des Gens D’Armes)|コンシェルジュリー(Conciergerie)

衛兵の広間(Salle des Gens d’Armes)

入場してすぐに広がるのが、13世紀に建てられた巨大な石造りホールです。高さのあるアーチと美しいリブ・ヴォールト天井は、ゴシック建築の傑作として知られています。

この広間は、かつて王の衛兵たちが詰めていた場所。自然光が差し込む空間は、重厚でありながら神秘的な雰囲気に包まれています。

中世時代の厨房

衛兵の広間に隣接する厨房は、王室の使用人たちが料理を作っていた場所です。大きな暖炉と調理設備が残されており、当時の宮殿生活を想像することができます。


マリー・アントワネットの独房(再現展示)

コンシェルジュリー最大の見どころが、マリー・アントワネットが過ごした独房の再現展示です。わずか数畳ほどの狭い空間に、簡素なベッドと椅子が置かれた光景は、王妃の悲劇を静かに物語っています。

独房には彼女が書いた手紙の複製や肖像画も展示されており、革命期の緊張感と哀しみを感じ取ることができます。


囚人の名簿と遺品展示

館内には、革命期に収容された囚人たちの名簿や遺品が展示されています。鉄格子越しに見る展示は、当時の囚人たちの恐怖や絶望を想像させます。


ヒストパッド(AR体験ガイド)

入口で無料レンタルできるガイド端末、ヒストパッドを使えば、AR技術で中世の様子を体験できます。QRコードをスキャンすると、その場所に当時の王や囚人がいた様子が画面に映し出され、歴史をより深く理解できます。


コンシェルジュリー訪問のヒント

コンシェルジュリー(Conciergerie)外観

私が訪れたのは午前11時頃でした。チケット売り場には5人ほどの列ができていましたが、待ち時間はほとんどなくスムーズに入場できました。


所要時間は、1〜2時間ほど

館内は広く、途中で中階段などもあります。マリー・アントワネットの独房をじっくり見学したり、ヒストパッドで歴史背景を学びながら回ると、2時間ほどかかります。時間に余裕を持って訪れることをおすすめします。


混雑を避けるなら午前中がベスト

コンシェルジュリーは比較的空いていますが、より快適に見学したい場合は開館直後の午前中が狙い目です。


事前予約で待ち時間をゼロに

オンラインで事前にチケットを購入しておけば、チケット売り場の列に並ぶ必要がありません。また、コンシェルジュリーのすぐ隣には、パリで最も美しいステンドグラスで知られるサント・シャペルがあります。両方を1日で巡れるセットチケットなら、個別に購入するよりお得で、効率的にシテ島の歴史を体感できます。▶︎ サント・シャペル+コンシェルジュリーのセットチケット


ヒストパッドは必ず借りよう

入口で無料レンタルできるヒストパッド(AR端末)は、見学の質を大きく高めてくれます。各所に設置されたQRコードをスキャンすることで、当時の様子が3D映像で再現され、歴史の理解が深まります。



さいごに

コンシェルジュリーは、華やかな美術館や宮殿とは異なる、静かで重厚な歴史スポットです。マリー・アントワネットが最後の日々を過ごした独房や、革命期の緊張感を今も残す監獄の雰囲気は、訪れた人にしか味わえない特別な体験です。

フランス革命やマリー・アントワネットに興味がある方はもちろん、パリの深い歴史に触れたい旅行者にとって、コンシェルジュリーは外せない観光スポットです。事前にチケットを予約して、ゆっくりと歴史を感じる時間を過ごしてみてください。

パリ・コンシェルジュリー(Conciergerie)

開館時間: 9:30〜18:00(毎日)
入場料: 13ユーロ
公式サイト: パリ・コンシェルジュリー 

所要時間: 1時間〜2時間
混み具合: 比較的空いている
オーディオガイド: あり(無料レンタル)

住所: 2 Boulevard du Palais, 75001 Paris, France
アクセス: メトロ4号線「Cité」駅 徒歩約3分


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