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2月12日(水)開催 The Art Club by ArtScouter
~アートとビジネスの原点回帰 Vol.01レポート

「オフィスにもアートによるコミュニケーションを生み出すこと」 をビジョンに掲げて活動するArtScouter。これまでにも本メディア、ART HOURSでギャラリストのインタビュー記事やビジネスの観点を交えた展覧会レビューを掲載し、ビジネスパーソン向けに様々なアートの情報を発信してきました。

2020年2月12日(水)、ArtScouterではさらにリアルな形でビジネスパーソンがアートに関心が持てるよう、オフラインでのトークイベント『The Art Club by ArtScouter ~ アートとビジネスの原点回帰』を開催しました。会場となった八丁堀の『WISE OWL HOSTELS TOKYO』地下一階HOWLには、定員を上回る60名以上の参加者が集い、司会を務めた『青い日記帳』主宰のTakさんをはじめ、ゲストアーティストの柿沼瑞輝さんと宍戸竜二さんのお話へ熱心に耳を傾けました。

Takさん

何故、The Art Clubを開催したのか?アートを身近に感じることの重要性

はじめにイベントの主催者であるArtScouterの運営チームが登壇。かつてアメリカのニューヨークで投資家向けの仕事をしていた際、オフィスへ行くと様々な現代アートが飾られているのを知った一方、日本のオフィスではあまり見られなかったとして、アートをオフィスに導入するためのサービスArtScouterを立ち上げた経緯を明かしました。

また昨今、アートビジネスブームが起き、アートへ投資しようとする動きが見られる中、果たしてアーティストへしっかりお金が流れる仕組みが出来ているのかどうかについて疑問を投げかけ、一過性のブームに終わらせてはならないと訴えました。

オフィスにアートが導入された事例を共有したり、実際にアーティストの生の話を聞くことで、もっとアートを身近に感じていくことが重要だとして、The Art Clubの主旨を語りました。

オフィスへの具体的なアート導入事例。展覧会の裏話も?!

続いてスライドを通し、実際にArtScouterを通じてオフィスへアートが導入された事例が複数取り上げられました。ここでは気持ちが落ち着くような作品を選んだ税理士事務所や、コーポレートカラーにマッチする絵や顧客とコミュニケーション出来るような作品を導入した会社の例が示され、実際に社員にどのような効果があったのかなど、アンケートによる検証の必要性についても触れられました。

さらに大手不動産会社が配下にもつ美術館の学芸員と一緒にギャラリーに出向いてオフィスに導入する作品を選んだ事例や、シェアオフィスでアーティストに作品について解説してもらった例もピックアップされ、アーティストと社員との間に交流が生まれたことが紹介されました。

導入事例の後は『青い日記帳』のTakさんによるトーク、「ブログには書けない話」がスタート。

現在、都内で開催中の『ソール・ライター展』(Bunkamura ザ・ミュージアム)や『ハマスホイとデンマーク絵画』(東京都美術館)、それに『ルネ・ラリック アール・デコのガラス モダン・エレガンスの美』(東京都庭園美術館)などの例を挙げながら、展覧会タイトルと集客との関係、会場と作品の相性の問題、またはテーマの重要性について話し、他所ではなかなか聞けないような際どい裏話を交えては会場を大いにわかせました。

アートとビジネスの垣根を超える。The Art Clubを通じて広がる人々の輪

Takさんとアーティスト2人との対談の後、同じ会場で行われた交流会では、これからアートを導入しようとする方々など、多くの参加者とアーティストが語り合いながら親交を深めました。

トークと交流会の双方に熱気を帯びたThe Art Clubは、アートとビジネスの垣根を超え、新たな出会い生み出すイベントとしてスタートしました。

アーティストの生の言葉に耳を傾けていると、アートが親しみやすく感じた方も多かったのではないでしょうか。そしてアーティストが深く自己の内面を見つめ、「問い」を発しながら作品を制作するプロセスを知ることは、ビジネスパーソンが既成の概念を超え、クリエイティブな発想をするための大きなヒントにもなります。

The Art Clubを通して、異なる業種の人々がつながる光景を目にしていると、その輪が今後さらに広がっていくように思えました。


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<Takさんプロフィール>
美術ブログ『青い日記帳』主宰。goo『いまトピ』などのメディアに多数寄稿。カルチャーセンターや美術館でのトークショーや講演を積極的に行い、日々、展覧会レビューなど幅広くアート情報を発信している。著書に『いちばんやさしい美術鑑賞』(ちくま新書)や『美術展の手帖』(小学館)など。『失われたアートの謎を解く』(ちくま新書)を監修。


文 鈴木雅也/写真 吉田和生

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