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アートは上司と部下のコミュニケーションをどう触発するのか?経営学者が1on1におけるアートの有用性を検証

アート作品を通じて組織ビジョンの浸透やチームビルディングを支援しているArtScouter(運営:アートアンドリーズン株式会社 東京都新宿区 代表取締役:佐々木真純)は、経営学者で神戸大学大学院経営学研究科准教授である服部泰宏氏の協力のもと、アートが上司と部下のコミュニケーションをどのように触発するかを定量/定性で分析しました。その結果、アートを活用した1on1が上司部下の発話量の偏りを是正し、部下の潜在的な思いを表出して議論を深める可能性が確認されました。本検証結果はホワイトペーパーとしてダウンロードが可能です。

サマリー

1on1においてアートを媒介とすることで、同じテーマであっても、上司と部下のどちらか一方へ発話量が偏る状態を是正し、内容を発散、循環させながら部下の潜在的な思いを表出して議論を深める可能性が確認できました。
ArtScouter1on1のアートを媒介としたアプローチは上司や部下に特別なトレーニングやスキルを必要せず、1on1の導入に時間がさけない企業、1on1を導入したけれども形骸化している企業においても、有効であると考えられます。

・定量調査
アートなしで対話だけを行った場合、上司・部下の役職に関わらず話が得意な方に発話量が偏る傾向があります。一方、アートを媒介にして対話を行った場合、上司:部下の発話量比率がおおよそ3:7程度となりました。

・定性調査
アートなしで対話だけを行った場合、上司が部下に投げかける仮説や質問が、部下の課題などにフィットしていない場合、対話が終息する傾向があります。一方、アートを媒介にして対話を行った場合、アートに含まれる「情報の多様性」や「解釈の多義性」から、対話が発散、循環しつつ深い議論に結び付くことがわかりました。

ホワイトペーパーはこちらからダウンロードが可能です。

今回の検証の背景

2020年にリモートワークが急激に普及したことで社内コミュニケーションの課題が顕在化しています。その中で、部下のポテンシャルを引き出し、エンゲージメントを高める方法として上司と部下の対話の場である1on1が注目されています。

しかしながら、その1on1も多くの企業においては、業務進捗の場として形骸化したり、上司が一方的に話す場になるケースも多く、オンラインでは空気感が伝わりにくいことからも自然とやめてしまうケースが増えています。

ArtScouterは現代アートのプラットフォームとして「ビジネスシーンにアートによるコミュニケーションを創出すること」をビジョンに掲げ、アートの流通支援やワークショップ等への活用を試みてきました。

2020年12月17日に発表したワークショップや1on1へのシステム対応のリリースは大きな反響を頂き、大手上場企業からスタートアップまでArtScouterを使った1on1を既にご利用頂いています。
リモートワークで発生するコミュニケーション課題をアートで解決。オンライン完結型のワークショップ/1on1ツール「ArtScouter」


●検証内容
1on1を導入している大手広告代理店(4組)及びベンチャー企業(4組)の協力を得て、2021年1月に対話のみでの1on1を実施したグループとArtScouterを使った1on1を実施したグループで1on1の内容を録画して文書化しました。そのうえで、発話量及び発言内容の違いを分析しています。
1on1は「自身からみた現在の組織の状態」、「2021年になった今の自分の状態」をテーマにして実施し、ArtScouterを活用するグループでは部下の方に各テーマに合うアート作品を選定したうえで、なぜそのアート作品を選定したのか上司に説明して頂きました。
なお、今回の対象企業の社員にはアートに関連した特別なトレーニングは施していません。

●分析実施者
服部泰宏(神戸大学大学院経営学研究科准教授)
滋賀大学専任講師、同准教授、横浜国立大学准教授を経て、2018年4月より現職。日本企業における組織と個人の関わりあいをコアテーマに、経営学的な知識の普及の研究,日本、アメリカ、ドイツ企業の人材採用に関する研究などに従事。2018年以降は、企業内で圧倒的な成果をあげる「スター社員」に関する研究も行っている。 2010年に第26回組織学会高宮賞、 2014年に人材育成学会論文賞、 2016年に日本の人事部「HRアワード」書籍部門最優秀賞受賞、 2019年に 日本の人事部「HRアワード」書籍部門入賞、2020年に労務学会賞(学術賞)および、労務学会賞(奨励賞)を受賞。
著書:『採用学』(新潮選書)、『日本企業の心理的契約』(白桃書房)、『日本企業の採用革新 』(中央経済社)、『組織行動論の考え方・使い方』(有斐閣)

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