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アートの力で創業時の初心へ原点回帰
−株式会社Relic 北嶋 貴朗

2019.03.17

©︎宍戸竜二 「いっしょに歩こう」

株式会社Relic 代表取締役CEO/Founder 北嶋 貴朗氏

慶應義塾大学を卒業後、組織/人事系コンサルティングファーム、新規事業に特化した経営コンサルティングファームにて中小/ベンチャー企業から大手企業まで幅広いプロジェクトをマネージャーとして牽引した後、DeNAに入社。主にEC事業領域での新規事業/サービスの立ち上げや、事業戦略/事業企画、大手企業とのアライアンス、共同事業の立ち上げのマネージャーとして数々の事業の創出~成長を担う責任者を歴任。2015年に株式会社Relicを創業し、代表取締役CEOに就任。

©︎宍戸竜二 「いっしょに歩こう」

―事業内容のご紹介をお願いいたします。

北嶋さん 当社は、主に日本企業向けに新規事業開発やイノベーションの創出を支援する3つの事業に取り組んでいます。

1つ目は企業の中で新規事業が生まれやすい仕組み作りで、我々はこれを「インキュベーションテック事業」と呼んでいます。社内における新規事業を立ち上げるプロセスをクラウド上で一元管理・運営するイノベーション・マネジメントを実現したり、事業性検証のためのテストマーケティングを迅速に行えるプラットフォームを構築するSaaS型のプロダクト等を提供しています。

2つ目が新規事業のプロデュースや新規サービス・プロダクトの開発などを支援するソリューション事業です。クライアントやパートナー企業における新規事業開発を一緒に伴走するような形で一気通貫で支援する取り組みですね。

3つ目はオープンイノベーション事業です。ベンチャー企業やスタートアップ企業に出資したり、レヴェニューシェアモデルでの共同事業や、ジョイントベンチャーを作ったりと、我々自身がよりリスクを取って他社と共創して事業を作っていくモデルの事業ですね。これが事業の3本柱です。

―今回、なぜアートを入れていただいたのか、お聞かせいただけますか。

北嶋さん きっかけは創業5年目でのオフィス移転です。クライアントやパートナー企業の経営トップ層も含めた様々な方に頻繁にご来社頂くようになり、ここで改めて会社のコンセプトや組織の在り方、創業当初の想いなどを誰が見ても明確にして、形としてわかるようなものがオフィス内に欲しかったんです。

そこで、オフィス全体の内装やデザインと調和するようなアートを一つ取り入れられないかと考えたのが導入のきっかけでした。

―オフィスという場所がキャンバスみたいになって、そこに会社のビジョンや思いを表現しようと考えられたのですね。アートには何を期待されていらっしゃいますか?

北嶋さん 主に2つあります。1つは、気持ちが原点回帰できることです。毎回ミーティングや来客時に会議室に入るたびに、会社のコンセプトや方向性を体現したアートが目に入ると、我々の気持ちも初心に帰ってリフレッシュできますよね。

また、ゲストにアート作品について聞かれた時、導入の経緯を繰り返し説明することで、だんだんと会社の考え方やビジョンが心に浸透していく効果もあるのではないかと期待しています。

―もう一つはなんですか?

北嶋さん 2つ目は、言葉でうまく説明できないもの、数字で表せないものの価値を会社として忘れないようにしたいという思いです。不確実性の高い新規事業と向き合うという仕事柄、我々はどうしても可能な限り数値や論理で測れる定量的な価値ばかりを追いかけて、合理的に物事を考えてしまいがちです。

その一方で、新規事業にはロジックで説明できない直感に基づく判断なども大きな価値を生むことがあります。そこで、アートをオフィス内に置くことによって、どうしても軽視しがちな右脳的な部分に揺り戻しを起こせるようにしたいんです。

―ちなみに、御社のコンセプトや方向性について簡単に教えていただけますか。

北嶋さん 簡単にいうと、志を持って新しい挑戦をする人や企業を支援することで、日本経済に貢献していきたい、ということです。挑戦者が報われる社会にしたい。

今の日本は、色々なリスクやハードルがあるため、リスクを取って新しいチャレンジをする人が報われにくい世の中になっていると思うんです。だから、我々はその中でポジティブな変化を生み出そうとする挑戦者を支援したい。彼らと一緒に走りながら、共に事業を大きくしていきたいんです。

©︎宍戸竜二 「いっしょに歩こう」

―今回購入頂いた2作品(宍戸竜二「いっしょに歩こう」、大宮エリー「Smile」)それぞれについて、選ばれた理由を教えていただけますか。

北嶋さん 宍戸さんの作品は、2つの決め手がありました。1つは、まず「いっしょに歩こう」と付けられたタイトルが、我々の「CO-CREATE」という、挑戦者と一緒にポジティブな未来に向かって進んでいくという考え方とマッチしていた点です。

もう1つは、見る人によって多様な解釈が可能なタイプの作品だったということですね。

―大宮エリーさんの作品についてはいかがですか?

こちらも2つ決め手がありました。まず、タイトルの「Smile」ですね。我々が取り組む新規事業は、うまく行かないこと、大変なことのほうが多いんですが、でもその中で「楽しむ」ことを絶対に忘れないようにしたいんです。笑顔のあるディスカッションを通じて生まれるものを大切にしたい。そんな思いがあって、本作を選びました。

また、もともと大宮エリーさんの作品はいくつか見たことがあり良い印象を持っていたのも決め手になりました。その中でちょっとポップなのが1つあっても面白いのかなと考えました。

―実際に、アート作品を導入して頂いた感想をお聞かせ下さい。

まだゲストに2回しか披露できていませんが、反応は上々です。社内でもほぼ全員がアート作品に反応してくれて、「こういうものがあると部屋の雰囲気が全然変わりますね」とか、「アート作品があると和む」と好評でした。

アートをきっかけにミーティングの最初のアイスブレイクがスムーズになったり、会話が弾んだりという効果もありました。今後は、社員全員がきちんと作品のキャプションを読み込んで、ゲストに作品のコンセプトや導入の想いを正しく説明できるようにしていきたいですね。

[インタビュー先]
株式会社Relic
東京都渋谷区恵比寿4-20-3 恵比寿ガーデンプレイス タワー8F
日本企業向けに新規事業開発やイノベーションの創出を支援。

文  かるび/写真  吉田和生

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