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アーティストが作品に込める”問い”を読み解く
-ArtScouter特別セッション@SHIBUYA QWS

2019年11月11日(月)

©Masahito Koshinaka

2019年11月1日に渋谷の新しいランドマークとなる商業施設、渋谷スクランブルスクエアが開業しました。その15階には「渋谷から世界へ問いかける 可能性の交差点」をコンセプトとするSHIBUYA QWS(渋谷キューズ、以下QWS)が開設され、そのQWSの中にあるSALON(サロン)では「交流や対話を促進する上質空間」というテーマに合わせて、ArtScouterから選出された越中正人さんの写真作品を展示しています。

11月11日(月)18時より、写真・映像作家の越中さんにQWSにお越し頂いて、一緒に作品を見学した後、「アーティストが作品に込める”問い”を読み解く」をテーマとしたアーティストトークイベントを開催しました。

まずQWSに展示されている「double word」シリーズについて、越中さん本人と一緒に作品をみてまわり、直接解説を聞かせて頂きました。

©Masahito Koshinaka

「double word」は、桜、菖蒲、コスモスの集合体を一度撮影し、プリントされた写真の上に、また実物の花を重ねて撮影した作品です。越中さんは「集合(集団)」と「個(個人)」の関係性に着目し、偶然または必然によって集まった「個」の集合の中においての存在意義や相互作用について、「double word」の花を含め、さまざまな素材を用いた写真と映像を制作しています。

イベントでは、なぜこのようなコンセプトになったのか、また現在までのキャリアや作風の変遷などについて過去の作品を用いて説明していただきました。

藤沢市アートスペース(FAS)で開催されたアーティスト・イン・レジデンスプログラム「Artists in FAS」に参画した越中さん。その際に選出された映像作品を解説頂きました。同じ映像でもドキュメンタリーは情報を正しく伝えることが目的で、アートは問いや疑問を投げかけるものだということです。

QWSのコンセプトである「越境」や「共創」にちなんで、アーティスト同士のコラボレーションについてもお聞きしました。

アーティスト同士の「個性」がぶつかり合いなかなか共同で成果物を生み出すのは難しい作業ということです。しかし、同じアーティストとしてお互いの制作に対する姿勢や考え方、価値観に触発されて、創作活動におけるアイディアの着想を得るなど好影響を受けることも多いそうです。

イベント中は、越中さんをプロモートするギャラリーである日動コンテンポラリーアートのギャラリストにもお話し頂きました。映像作品の需要、どのように納品するのかという新たなアート作品の流通に関わるお話や、自身の想いを作品にするアーティストとそこに意味を生み出し流通させるギャラリストの役割について解説頂きました。

トークトピックがすべて終わり質疑応答の時間になると、ビジネス×アートのブームで引き合いが増えたりなど影響はあったか、越中さんがなぜアーティストとして生きることを決めたのか、映像作品はどのように鑑賞すればいいのか…など参加者から多くの質問が飛び、非常にインタラクティブな会となりました。

参加者にとって作品の意図をアーティスト自身から聞くことができる貴重な機会となりました。普段アートと縁遠いと思われがちなビジネスの世界にもつながる気づきやアイディアのヒントが得ることができたのではないでしょうか。

また参加者からの感想や意見をもらうことで、アーティストにとっても新たな気づきになり、創作活動のタネが生まれる機会になったかもしれません。

ArtScouterは今後も、はたらく”場所”とはたらく”人”のパフォーマンス向上に寄与する最適なアート作品の活用を進めていくとともに、今回のようなアーティストトークイベントの開催を通じて、アートとビジネスを接続する営みを実施し、本質的なアートの普及に努めてまいります。

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・QWSインタビュー記事  
「問い」と「越境」を生む空間に、アートが命を吹き込む
・作品展示風景
showcase#007

文 J.N & N.K by ArtScouter事務局 / 写真 吉田和生

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