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三菱一号館美術館のCafé 1894はミュージアムカフェの教科書的存在。
クラシックでお洒落な室内はビジネスとの相性も抜群!

ARTHOURSでは、これまで「ビジネス×アート」をキーワードに、もっとアートを身近に感じて頂けるよう、様々な切り口でビジネスパーソン向けのトピックをご紹介していきます。

この秋からは、各美術館の常設展示やアートフェアの取材レポート、またミュージアムカフェ、ミュージアムショップなど、美術館・博物館の展示以外の部分にも積極的に着目していきます。

今回は、東京駅から徒歩5分と抜群のロケーションを誇る、三菱一号館美術館のミュージアムカフェ「Café 1894」を取り上げます。今回は特別にオープン前に人がいない時間帯に入れて頂き、カフェ内の雰囲気や代表的な食事メニューを取材させて頂きました。

体感値日本一の人気を誇る屈指のミュージアムカフェ

Café 1894は、現在日本で最も人気のあるミュージアムカフェの一つ。試しにTwitterやInstagramで「三菱一号館 カフェ」などと入れて検索してみて下さい。毎日山のように店内風景や食事メニューをアップした投稿記事がたっぷりとひっかかります。

実は、Café 1894は美術館とは独立して営業中。展覧会が開催されていない日でもちゃんと開けているのです。先日、美術館の閉館中のランチタイムにふらりと訪問してみましたが、開館中と変わらず多くの近隣のビジネスパーソンで賑わっていました。

なぜここのお店がそれほど人気なのでしょうか?

それは、人気ミュージアムカフェの必須条件である「雰囲気」「食事メニュー」「利便性」の三拍子すべてが揃っているからです。

では、一つ一つじっくりと見ていくことにいたしましょう。

Café 1894人気の秘密①:明治時代の洋館建築を完全再現した雰囲気の良い店内

さて、入り口からカフェへと一歩足を踏み入れてみて、まず驚かされるのが建物内のクラシカルな雰囲気。といっても宮殿のような豪華さではなく、どちらかといえば古い図書館や学校のようなイメージが漂っています。

それもそのはず。この空間は、かつて明治時代に丸の内一帯が「一丁倫敦」(いっちょうろんどん)と呼ばれることになる最初期に建てられた赤レンガのオフィスビル・三菱一号館を当時の設計図面や残っていた資料、解体時の写真と実測図等から可能な限り完全復元されたものだからです。

銀行営業室として使われていた明治時代の様子を写した貴重な写真。カウンター越しにお客さんが社員と話し込んでいる様子がよくわかりますね。

三菱一号館の設計を手掛けたのは、歴史の教科書でも著名なお雇い外国人のジョサイア・コンドル。ビクトリア時代のクイーンアン様式に基づいた洋風事務所建築です。いわゆる貴族などの邸宅とは違い、機能性重視のオフィス建築として建てられています。

細部を見てみましょう。現代のモダニズム建築とは違い、やはり随所にクラシカルな室内装飾が目立ちますね。8mもある天井を支える木製の柱の柱頭部分や、シャンデリアのデザインなど、やはり今の建築とは全く違います。

ぜひ注目したいのが、約120年前に現役で使われていたガス灯の再現部分。竣工当時はまだ電灯は普及しておらず、まだまだガス灯が主流だったのですね。ガス管部分を追っていくと、壁の中に埋め込まれていたり、天井から配管が下がっていたりと、面白いですよ。

ガス灯のバルブ(元栓)部分まで丁寧に再現されています。

竣工当初、三菱一号館のこのスペースには三菱合資会社の銀行営業室が入居・営業していました。建築が復元される際、窓口係が客を応対するガラス板を張ったカウンターまで律儀に再現されているんです。

客席と一体化しているのでやや目立たないのですが、ここはCafé 1894の見どころの一つでもあるので、近くにお客さんがいないようなら、ぜひじっくりと近寄って鑑賞してみてはいかがでしょうか。

Café 1894人気の秘密②:リーズナブルなレストラン価格で楽しめるリッチな味わい

上述した通り、明治時代の洋館建築を完全再現したお洒落な店内は、まるで老舗高級ホテルのような佇まい。しかし人気美術館併設のミュージアムカフェといえども、雰囲気が良いだけでは、お客さんは立ち寄ってはくれません。

ミュージアムカフェが人気化する最も大切な要素がちゃんとCafé 1894には備わっているからこそ、活気あふれるお店足り得るのです。

ではその条件とは何なのでしょうか?

それは、シンプルに「ご飯が美味しい」ということなんです。

実は、Café 1894では定番のオリジナルメニューのランチ6種類を2020年9月にリニューアルしたばかり。そこで、今回は中でもビジネスパーソンに人気の「Café 1894 ハンバーグステーキ マデラソース(サラダ、パンorライスつき)」を実食させて頂きました。

「Café 1894 ハンバーグステーキ マデラソース(サラダ、パンorライスつき)」2,000円(税込)」

食べてみると・・・これは旨い。

パン粉などの“つなぎ”が一切使われておらず、牛肉と豚肉100%の手捏ねハンバーグなので、噛むほどに肉本来の旨味が口全体に広がっていきます。間違いなくホテル並みのクオリティがあります。これは人気になるわけですね。

割ってみると中からはたっぷりの肉汁が!肉の旨さがしっかり伝わってくる上質なハンバーグでした。

サラダにも非常に力が入っています。有機栽培で育てられた色とりどりのミックスリーフにイタリアンパセリなどのハーブ類もたっぷり。ヘルシーなサイドメニューです。

ご飯かパンは選べるようになっているのですが、今回はパンを選択。柔らかくてフワッとした上品な食感のクルミパンもお店がこだわり抜いて選んだ仕入先から調達しているのだとか。

このビジネスパーソンに人気の「ハンバーグステーキ マデラソース」ですが、現在1日あたり多い時だと30食は注文される看板メニューとなっているそうです。

丸の内近辺のレストラン事情を知り尽くした三菱一号館美術館の広報担当・酒井英恵さんからは、「実はこの近辺で本格的なハンバーグを提供しているお店は意外と少ないので、Café 1894のハンバーグはかなり貴重な存在かもしれません」と教えて下さいました。近年、丸の内界隈は丸ビルや新丸ビルなど街の再開発が進んでお洒落なレストランの激戦区になっているのに、意外な話ですよね。

「濃厚なチョコレートのテリーヌ 季節のフルーツを添えて」¥930(税込)」

もう1品、デザートメニューからティータイムの定番「濃厚なチョコレートのテリーヌ 季節のフルーツを添えて」をいただきました。

こちらも、重量感たっぷりなチョコレートテリーヌの存在感が凄い。ナイフで切るとき、手にしっかり身の詰まった感じの弾力が伝わってきます。チョコレートをケーキ生地に高密度で絡ませた濃厚な風味ですが、口に入れた時に舌の上でべとつく感じもなく、後味は非常にすっきりしています。

つけあわせで載っているバニラアイスクリームとの相性も抜群。程よく溶け始めたところで、アイスクリームをテリーヌに載せ、あわせて口の中で味わってみて下さい。2種類の味のハーモニーが絶妙でした!

ちなみに、デザートと一緒に注文されることが多いアイスコーヒーは、三菱一号館美術館のロゴをデザインした服部一成さんが手掛けた美術館とお揃いのロゴをあしらったコースターにも要注目です。コースターは持ち帰りOK。ちょっとしたお土産になりますね。

ランチは11時~12時の時間帯に限り、ランチタイムもホームページの専用フォームから席が予約できるので、ぜひ利用してみてくださいね。

Café 1894人気の秘密③:抜群の立地と夜遅くまでオープンしている利便性

そして、同店の人気を支えるもう一つの要素が、利便性です。

東京駅から地下道を経由して濡れずに徒歩5分という抜群の立地もさることながら、夜23時まで毎日営業しているというのがビジネスパーソンには心強いですよね。

通常、ミュージアムカフェといえば美術館が閉館する17時頃に閉店してしまうケースが多いものですが、美術館とは独立して運営されているCafé 1894では、企画展を実施していない期間や、美術館閉館後の夜間でも毎日23時まで利用できるのです。(※ただし、当面は東京都の事業者向け感染拡大防止ガイドラインに沿って、新型コロナウイルス感染拡大防止対策を行うため時短営業を行う可能性があります)

Café 1894の特別メニューを紹介!

ランチ、カフェタイム、ディナーなど、時間帯に応じて多彩なメニューを用意してくれているCafé 1894ですが、それ以外にも期間限定の特別メニューなども楽しめます。そこで、ここからは酒井さんのコメントをご紹介しながら、最後にCafé 1894で特にお薦めな3つの特別メニューをご紹介したいと思います。

おすすめメニュー1:半年前からじっくりメニューを考案「企画展タイアップメニュー」

本記事がアップされた今日現在、美術館では企画展「1894 Visions ルドン、ロートレック展」が好評開催中。そこで気になるのは、ミュージアムカフェとしてのタイアップメニューですよね。

Café 1894でも、開館以来10年間欠かさず展覧会毎に期間限定メニューの目玉としてタイアップランチが提供されています。たとえば企画展「1894 Visions ルドン、ロートレック展」のタイアップメニューを見てみましょう。

「Vision(ヴィジョン)-モノクロから色彩へ- 2,420円(税込)」
「おとなのグラン・ブーケ 990円(税込)」

オリジナルメニュー同様、しっかり作り込まれていることがわかりますね。

意外だったのが、タイアップランチを企画するタイミング。なんと、企画展が開催される約半年も前から内容を考え始めるのだそうです。

酒井:報道発表くらいのタイミングで美術館側から企画展についての説明を行い、シェフを中心にお店のスタッフでメニューを考えていきます。試食会を経て、プレスリリース用の写真も撮ります。

―でも、毎回企画展が変わるたびにメニューを考え出すのは大変なのでは・・・?!

酒井:スタッフの方々は苦労されていると思います。企画展にはフランス発やイギリス(※次回展:テート美術館所蔵 コンスタブル展)発など諸外国の美術品を扱う展覧会を開催し、ときには日本美術もあります。その都度、展覧会のイメージにあったランチとデザートを両方考えなければいけないので、意外と大変です(笑)。シェフやスタッフの方にタイアップメニューに込められたストーリーを聞いて、学芸員も一緒にメニュー名を考えています。

Café 1894おすすめメニュー2:会期外の目玉!「アフタヌーンティー」

2020年1月22日(水)~2月13日(木)に実施されたアフタヌーンティのメニュー。非常にゴージャスです。

Café 1894で女性から大人気なのが、美術館で展覧会を開催していない時期限定で提供されるアフタヌーンティーです。事前予約制で1日最大45名ですが、あっという間に予約で埋まってしまうそうです。 (編集部注:新型コロナウイルス感染拡大防止への対応のため、現在実施していません。)

―すごい人気なのですね。それほど宣伝はされていないと思うのですが、やはり口コミで広がっているのでしょうか?

酒井:何回もお越し頂いているリピーターのお客様が多いですね。ご利用頂く大半が女性のお客様です。

―やっぱりアフタヌーンティーは女性に大人気なのですね。

酒井: アフタヌーンティーにしては価格がリーズナブルなのも大きな理由だと思います。3段のケーキスタンドに高級ホテル並みのクオリティの軽食やケーキが満載されていますので、相当お得だと思います。相場は5,000円、6,000円するようですが、Café 1894はあくまでカフェですので、3,850円に価格を抑えめにしているんです。もちろん紅茶やコーヒーもついています。

Café 1894おすすめメニュー3:「クリスマスディナー」

2020年12月24日(木)・25日(金)2日間限定のクリスマスディナーコース 1名10,000円(税込)※展覧会鑑賞券付き

Café 1894で、12月24日、25日の2日間だけ提供される人気の特別コースがこちらのクリスマスディナー。毎年11月~2月にかけての丸の内の風物詩にもなっている「丸の内イルミネーション2020」と合わせて、クリスマス気分を最高に盛り上げてくれる特別プランです。

これだけお洒落なスポットなのでさぞやこの2日間はカップルで独占されているのかと思ったのですが、実はそうでもないようです。

酒井:カップルの方にも楽しんで頂いていますが、実は結構仕事帰りの女性同士のお客様など、ビジネスパーソンの姿も多いんです。この近辺にお勤めの方が予約して下さっているようですね。2020年は特に12月24日、25日が平日なので、同僚とちょっと特別なディナーを楽しみたい、というお客様が多いのではないかと予想しています。

まとめ:TVドラマのロケや結婚式でも使われる名スポット「Café 1894」の歴史を感じながらカフェを楽しんでみて下さい!

中に一歩足を踏み入れると、明治時代にタイムトリップしたようなちょっとした異世界感が味わえるCafe 1894。コロナ前は結婚式や貸切パーティなども数多く行われていました。

また、最近では人気ドラマ「半沢直樹」や「相棒」のロケ地にも使われたことが話題を呼んで、ロケ地巡りのガイドブックを読んだ観光客も多くなっていたそうです。「ドラマで半沢直樹が座っていた席に案内してほしい」と交渉してきた外国人のお客さんもいたのだとか。

東京駅から抜群のロケーションを誇り、オープンして10年で国内屈指の人気カフェに成長した三菱一号館美術館のミュージアムカフェ「Café 1894」。美術館とセットで楽しむのもいいですし、外回り中のランチ休憩や仕事の打ち合わせで使ってみるのも面白そう。

ぜひ、非日常感の味わえる空間で、上品な食事やお酒を楽しんでみてくださいね。

三菱一号館美術館とCafé 1894について

三菱一号館美術館
場所:〒100-0005東京都千代田区丸の内2-6-2
休館日:毎週月曜(祝日・振替休日・展覧会会期中最終週の場合は開館)
年末、元旦、展示替え期間 ※臨時の開館・休館の場合あり
TEL:050-5541-8600 (ハローダイヤル)
公式HP:https://mimt.jp/

Café 1894
営業時間: 11時~23時(L.O.22時)
休業日:不定休(HP参照)
公式HP:https://mimt.jp/cafe1894/
TEL: 03-3212-7156 

文・写真 かるび

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