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多様性を重んじる組織風土を 多様な解釈ができるアートで表現
—株式会社ヒトカラメディア

実際にオフィス内にアート作品を導入した株式会社ヒトカラメディア様に、 作品選びのポイントやその効果について話をうかがいました。

2019.4.22

株式会社ヒトカラメディア

ベンチャースタートアップ企業に向けたオフィス選定から空間プランニング、内装工事などトータルプロデュース事業を展開。「働く場」と「働き方」を追求し、新たな価値を作り続ける。

大塚 裕樹 氏

株式会社ヒトカラメディア
ワークプロデュースグループ
プランニング事業部 サブマネージャー


植物を飾るような感覚でアート作品をオフィスに導入

アートをオフィスに導入しようと思ったきっかけは?

大塚氏 当社は、主に都内のベンチャーやスタートアップ企業に対して、オフィス選定から空間プランニング、内装工事なども含めたトータルプロデュースを行っています。

『「働く場」と「働き方」からいきいきとした組織と個人を増やす』というビジョンの通り、大切にしているのは、「働く場自体をもっと面白くしたい」という思いです。

オフィスというところを、予想の範疇を超えるものを生み出せる場にしたいと思ったときに、アート作品や絵に興味を持ちました。

絵って正解がないじゃないですか。解釈が大事なものですよね。もしかしたら、直接的にではないかもしれませんが、何かを生み出すときの1つのきっかけになり得るものじゃないかと感じていたのです。

ヒトカラメディアの組織は多様性を重んじていて、「個人がそれぞれの感性を持っていることは素晴らしい」と考えています。だったら、多様な解釈が入るアート的なものが社内にあったら面白いかなとは前々から思っていたんです。

やっぱりオフィス什器だけだとつまらないというか、どうしても殺風景になりがち。だから、植物を新しく飾るような感覚で、アートを実験的に取り入れてみようと考えました。


オフィスエントランス

コミュニケーションスペース

どうやって作品を選んだのですか?

大塚氏 私自身、アートの知識は全くありません。ですから、アートアンドリーズンさんが提供してくれたArtScouterで客観的に絞り込まれた作品の一覧を眺めながら、うちの空間に合いそうな作品を直感で選んでいきました。

絵は来客用スペースでもある社内のラウンジに飾ろうと思っていたので、外からヒトカラメディアがどう見られているのか、その雰囲気が感じられる作品を選ぼうと意識しました。

おそらく「クールにガツガツ」というよりは、実家に帰ってきたときの「ほっこり感」のような暖かさが特色だと思っているので、そういうイメージが感じられて、なおかつコーポレートカラーのオレンジや黄色が入っているものを選びました。

©︎Momi Abe
©︎Saki Tanaka

絵が社外の人との会話の糸口になることも

絵を導入してみてどうでしたか?社内の反応は?

大塚氏 全員が最初からものすごく関心を持ってくれたというわけではなかったんです。ただ、「ふとしたときについ見ちゃう」「毎日見ていると感じ方がその日によって違う」というような反応が実際にありましたね。みんなそれぞれに感じてくれているみたいで、関心は間違いなく集まっています。

お客様との打ち合わせや採用面接もラウンジで行うのですが、来て下さった方から「いい絵が飾ってありますね」といわれることもあるんです。絵が会話の糸口になることも多いですね。

先日、飾る位置をちょっと変えたんです。そのタイミングで、購入時の資料にあった作家さんのプロフィールを切り抜いて、絵の下に貼ってみました。美術館みたいで面白いかなと思ってやったところ、そこから反応がすごく高まったんです。

ヒトカラメディアという社名の通り、当社では「個人が世の中に対して発信していくことが大切」という理念があります。まさにそういう感じで、作品の背景がわかるようになったことで、「こんな人の作品なんだ」と皆がより作品に興味を持ってくれるようになりましたね。

実用的な話でいうと、絵を飾るようになってから片付けをするようになったという意見が出ていますね。「その作品に見合う空間にしよう」というか、きれいなオフィスをキープしたいという気持ちが芽生えたみたいです(笑)。


(株)ヒトカラメディア 代表取締役
髙井 淳一郎 氏

アートを社員にメッセージを伝えるための「媒介」に

―絵の持つ可能性とは、どんなものでしょうか?

大塚氏 私たちがお客さまのオフィスを設計する際にも気をつけているのですが、「ここはリラックスエリア」「ここはミーティングスペース」といったふうに用途を限定することはしないようにしています。使っている人が自分たちで見つけていく方がいいと思っているからです。

アートもそれと似ていて、やっぱり自由に解釈していいものなんですよね。だから作品を飾ることをきっかけに、オフィス全体を自分たちなりに解釈しながら使ってもらえたらいいなあと。ちょっと飛躍させていますが、そんなふうに思っていますね。そして、そういう話ができるのはアートの持つ力なのかもしれません。

オフィスプランニングの際にお客さまから「アートを社内に取り入れたい」という要望をいただく機会は増えているんです。自社のメッセージを作品にして壁紙に書き入れるとか、いろんな方法がありますが、今後「うちのメッセージはこの作品だ」と言い切ってアートを飾るようなお客さまが出てきたら、すごく面白いなと思いますね。

―今後どんなふうにアート作品を取り入れていきたいですか?

大塚氏 やってみたいのは、季節によって飾る絵を替えたりすることです。それこそ観葉植物みたいな感じですね。絵を選ぶ人が、社内に伝えたいことを絵に込めるというような、「媒介」として使っていくのも面白そうです。

たとえば、社内の売り上げ目標が達成していくと、絵がどんどん派手になるといったふうに。1つのものをずっと使うのももちろんいいですが、そうやって気軽に使っていけたら、もっといろんなことができそうだと思っています。



文 志村江 / 写真 吉田和生

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