Article

オフィスへのアート導入もこうすれば安心!アートの会計処理まとめ

2019.04.22

オフィス空間を彩るだけではない!
アート購入も企業活動の費用に

日本のビジネスパーソンにとって、アートは個人の趣味で扱うものであり、企業活動にはそぐわない、または社会貢献活動で扱うものだという意識が強くみられます。

欧米に比べ日本のオフィスにアートが少ないのは、そういった意識のあらわれかもしれません。

しかし、アート作品も特定の条件を満たせば、物品を購入した時と同じように会計上の費用処理ができることをご存知でしょうか。 オフィスで展示するアートは“事業の用に供する”ものとして企業活動における費用となることが日本の会計基準で明確に認められているのです。

そのため、利益がでている会社であれば正しい会計処理をすることで節税効果が期待できます。とはいえ、税制改正でアート作品の会計基準が変わり費用として計上しやすくなったのは2015年のこと。比較的最近のできごとなので、まだまだ認知されていないようです。

アートを経費にできる会計基準って何?

※注意事項

本項で記載していることは2019年3月現在、国税庁のホームページ 「美術品等についての減価償却資産の判定に関するFAQ」 及び 「少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示」 に記載されていることを整理したものですが、会社で適用する際には税理士にご相談ください。

1枚のアート作品の価格と費用化について


●1点あたり100万円未満のアート作品は費用化が可能!費用化には「減価償却」を適用

2015年の税制改正によりそれまで20万円までだった上限額が100万円未満(※1)まで認められるようになりました。

※1 額縁や郵送費、手数料などアートを設置するまでに必要となった費用も足し合わせた合計額

株式会社ZOZOの前澤友作社長が、バスキアの作品を123億円で落札した話や、1.5億円で落札した途端に裁断されたバンクシーの「Balloon Girl」など、アートというと何億円もする作品が落札されたことが話題になるので、全く手が届かないものを想像する方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、大手ギャラリー所属のアーティストの作品でも100万円の予算の範囲内で良質な作品を購入することは十分に可能です。

※安心してアートを購入できるArtScouterとは
ArtScouterでは、日本のトップギャラリーの作品を中心に良質なアート作品をそろえています。また、法人でご購入しやすいように請求書払いへの対応、及び領収書の発行を行っています。

モネやゴッホらの絵画作品のように「時の経過によりその価値の減少しないことが明らか」な作品は減価償却の対象となりません。しかし、100万円未満のアート作品で“絶対に”価値が減少しないと言い切れるものはなかなかありません。

そのため、100万円までの作品は設備などへの投資と同じく、耐用年数で何年かに分けて毎年費用化していくことになります。

耐用年数は金属製の作品で15年、金属製以外の作品で8年となります。多くの絵画作品は8年で減価償却することになるでしょう。

●20万円未満、10万円未満の作品には特例あり!

「一括償却資産の損金算入の規定」により、1点あたり20万円未満の作品は3年間の短期間で減価償却し、10万円未満の作品は購入した年に一括で償却(費用化)が可能です。

●中小企業は特例で1点30万円未満の作品を1年で費用化可能

中小企業基本法等で定義される中小企業であれば、1点あたり30万円未満の作品を購入した年に一括で償却(費用化)が可能です。

●100万円以上のアート作品も費用化できるケースあり

100万円未満の作品でも「時の経過によりその価値の減少しないことが明らか」な作品は減価償却できないと記載しましたが、逆に100万円以上の作品でも「時の経過によりその価値の減少することが明らか」な場合は減価償却が可能となります。

100万円以上の作品を減価償却できる事例として下記の場合が取り上げられています。

1.会館のロビーや葬祭場のホールのような不特定多数の者が利用する場所の装飾用や展示用(有料で公開するものを除く。)として取得されるものであること。
2.移設することが困難で当該用途にのみ使用されることが明らかなものであること。
3.他の用途に転用すると仮定した場合に、その設置状況や使用状況から見て美術品等としての市場価値が見込まれないものであること。

必ず知っておきたいアートの会計処理の注意

ここまで記載のとおり2015年の税制改正で、日本でも企業がアートを購入しやすくなりました。今後、こういったアートと会計の関係が認知されるとオフィスにアートが展示されることが増えるのではないでしょうか。

ただし、これらすべては正しく保管されていることが大前提となります。例えば最低でも下記のことには注意が必要です。

・アート作品を購入する際には、作品価格や郵送費など発生した費用の領収書を保管しておく必要があります。
・アート作品には資産番号をつけて作品ごとの減価償却を計算することをお勧めします。
・購入したアート作品をただちに飾ることができない場合、いつでも飾ることができる(事業の用に供する)状態で倉庫などに保管、管理しておく必要があります。(逆にいえば、倉庫に保管しているアート作品も減価償却は可能です。)

購入したアート作品は時が流れると簿価は減少します。一方で、アーティストの中には時の流れとともに成長して、気が付けば作品の価値が高くなっていることもあります。

購入した作品を飾ることで部屋に個性を与え、コミュニケーションのきっかけとなるだけでなく、アーティストへの支援にもなるため、“文化発展に寄与している企業”というイメージの向上にもつながります。

アート作品の正しい会計処理を理解することで、企業活動の中でアートをもっと楽しめるようになります。

文 J.N by ArtScouter

Related

Page Top
メール メール